夏だ!読書だ!なぜだか中公新書編(^^; その2
中公新書における名著のご紹介その2。
今回から個々の書籍説明に入ります。
↑上の2つは野口悠紀雄『「超」整理法―情報検索と発想の新システム』が93年に発売され、大ベストセラーとなるはるかに前、60年代に出た超ロングセラー。
人類学者たる川喜田氏がアイデアの断片から考えをまとめるための方法が公開されたもの。
いわゆる「KJ法」としてたいへん有名になった創造性開発の方法が書かれている。
当時、野口悠紀雄氏の本にあたるのが、KJ法が紹介された本書と梅棹忠夫『知的生産の技術』であった。
そもそも本書と梅棹氏の本に興味を持った理由は、文化人類学に並々ならぬ関心を持っていたからで、川喜田氏は有名な文化人類学者、梅棹氏は国立民族学博物館の館長だったことによる。
当18歳だった私もこの2人の著者に大きな影響を受けた結果、↓のような3ミリ方眼の入った野帳と呼ばれるものを常にポケットに忍ばせ、気になったことをメモしたり、スケッチや図にして書き残しておくことを常としていた。(ちょうど現在ならデジカメとボイスレコーダーを持ち歩いているような感覚かも。)

あと、↓のようなB6版の通称「京大型カード」なんて呼ばれるものを講義ノート代わりや読書メモなんかに使っていた。

普通のノートに記入するのではなく、1枚に1項目記入ということになり、あとになってKJ法的に使ってみたり、順序を入れ替えたりするのに便利だと思ったからである。
さすがに普段使用することはなくなったが、ブレインストーミングの時には、現在でもこのようなカードを使用したほうが便利なケースが見受けられるわけであり、発想法の原点に立ち返る意味で、ふりかえって読んでみたら新たな気づきがあるのではと思わせる本である。
私の哲学入門書との出会いは、おそらく中村氏の↑がはじめてだったように思う。
本当なら難解に記述されるような事柄を、不思議なくらいに簡単で明解に書かれる中村氏の本には随分とお世話になってきた。
では簡単な話かと改めて考え出すと、とっても難解なことを問題にされていたことに後になって気づく。
中村氏の本の軽やかさは、その後岩波新書から発売された『哲学の現在―生きること考えること』という本書の続編にあたるものや、現代思想にかかわるキーワードを簡潔に説明してみせた『術語集―気になることば』といったもの(後年さらなる続編も出る)など、気むずかしい大御所らしからぬ本が次々と世に出て行ったのであった。
その後も『共通感覚論』を読んだことで、今でも流行っている五感の復権論が依って立つところの底の浅さを見透かすことができるし、『魔女ランダ考―演劇的知とはなにか』を読み、「演劇的知」について中村氏が発想された原点たるバリ島の舞踊にも興味を持ち、バリ島の舞踊団来日公演を見に行った記憶もある。
(さらにその後も著者は岩波書店を中心に著作を量産していった。)
哲学書なんて頭が痛くなりそうと先入観を持っている人は多いのだろうが、私にとっては中村氏の著作と出会ったことで、「哲学はオモロい」との印象を持つようになったのであった。
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