2006/08/13 日曜日

夏だ!読書だ!なぜだか中公新書編(^^; その2

Filed under: 読書 — 咲本 @ 22:41:44

中公新書における名著のご紹介その2。
今回から個々の書籍説明に入ります。

川喜田二郎『発想法―創造性開発のために』

川喜田二郎『発想法 (続)』

↑上の2つは野口悠紀雄『「超」整理法―情報検索と発想の新システム』が93年に発売され、大ベストセラーとなるはるかに前、60年代に出た超ロングセラー。
人類学者たる川喜田氏がアイデアの断片から考えをまとめるための方法が公開されたもの。
いわゆる「KJ法」としてたいへん有名になった創造性開発の方法が書かれている。

当時、野口悠紀雄氏の本にあたるのが、KJ法が紹介された本書と梅棹忠夫『知的生産の技術』であった。

そもそも本書と梅棹氏の本に興味を持った理由は、文化人類学に並々ならぬ関心を持っていたからで、川喜田氏は有名な文化人類学者、梅棹氏は国立民族学博物館の館長だったことによる。

当18歳だった私もこの2人の著者に大きな影響を受けた結果、↓のような3ミリ方眼の入った野帳と呼ばれるものを常にポケットに忍ばせ、気になったことをメモしたり、スケッチや図にして書き残しておくことを常としていた。(ちょうど現在ならデジカメとボイスレコーダーを持ち歩いているような感覚かも。)

野帳

あと、↓のようなB6版の通称「京大型カード」なんて呼ばれるものを講義ノート代わりや読書メモなんかに使っていた。

京大型カード

普通のノートに記入するのではなく、1枚に1項目記入ということになり、あとになってKJ法的に使ってみたり、順序を入れ替えたりするのに便利だと思ったからである。

さすがに普段使用することはなくなったが、ブレインストーミングの時には、現在でもこのようなカードを使用したほうが便利なケースが見受けられるわけであり、発想法の原点に立ち返る意味で、ふりかえって読んでみたら新たな気づきがあるのではと思わせる本である。

中村雄二郎『哲学入門―生き方の確実な基礎』

私の哲学入門書との出会いは、おそらく中村氏の↑がはじめてだったように思う。

本当なら難解に記述されるような事柄を、不思議なくらいに簡単で明解に書かれる中村氏の本には随分とお世話になってきた。
では簡単な話かと改めて考え出すと、とっても難解なことを問題にされていたことに後になって気づく。

中村氏の本の軽やかさは、その後岩波新書から発売された『哲学の現在―生きること考えること』という本書の続編にあたるものや、現代思想にかかわるキーワードを簡潔に説明してみせた『術語集―気になることば』といったもの(後年さらなる続編も出る)など、気むずかしい大御所らしからぬ本が次々と世に出て行ったのであった。

その後も『共通感覚論』を読んだことで、今でも流行っている五感の復権論が依って立つところの底の浅さを見透かすことができるし、『魔女ランダ考―演劇的知とはなにか』を読み、「演劇的知」について中村氏が発想された原点たるバリ島の舞踊にも興味を持ち、バリ島の舞踊団来日公演を見に行った記憶もある。
(さらにその後も著者は岩波書店を中心に著作を量産していった。)
哲学書なんて頭が痛くなりそうと先入観を持っている人は多いのだろうが、私にとっては中村氏の著作と出会ったことで、「哲学はオモロい」との印象を持つようになったのであった。

4 Responses »

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  1. 夏だ!読書だ!なぜだか中公新書編(^^; その1…

    夏休みの時期らしく?読書コーナー(^^;
    中公新書って昔からお世話になってきているが、改めてふりかえってみると名著というべきものを実に多く出してきていると思う。
    新書の (more…)

    トラックバック by マーケティング/eビジネス — 2006/08/17 木曜日 @ 03:54:01

  2. 夏だ!読書だ!なぜだか中公新書編(^^; その3…

    今でも発売されている中公新書名作のその3。
    ★江上波夫『騎馬民族国家―日本古代史へのアプローチ』
    ★上山春平『照葉樹林文化―日本文化の深層』
    ↑の2つの本は日本文化の起 (more…)

    トラックバック by マーケティング/eビジネス — 2006/08/17 木曜日 @ 04:13:39

  3. 夏だ!読書だ!なぜだか中公新書編(^^; その4…

    古い中公新書の中からのオススメ書、第4弾。
    阿部謹也『刑吏の社会史―中世ヨーロッパの庶民生活』
    私の中では西欧中世史といえば阿部謹也、日本中世史といえば網野善彦。
    両者 (more…)

    トラックバック by マーケティング/eビジネス — 2006/08/17 木曜日 @ 04:16:06

  4. 夏だ!読書だ!なぜだか中公新書編(^^; その5(最終回)…

    中公新書で現在入手できる古典的名著をオススメするコラムの最終回。
    ★清水博『生命を捉えなおす―生きている状態とは何か』
    ★清水博『生命知としての場の論理―柳生新陰流に見 (more…)

    トラックバック by マーケティング/eビジネス — 2006/08/17 木曜日 @ 04:18:24


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