セレンディピティなうどん屋さん
京都の大丸百貨店近くの某オフィスで午後の打合せを済ませ、昼食がまだだったことを思い出し、近くにあった某うどん屋さんへ。
午後3時頃だったので、店内には私しか客はいなかった。
私は初訪問のお店であったが、どうやら有名店のようで、ググってみるとたくさん情報が出てくる。
それもそのはず。
ここのおばちゃんのキャラがとんでもなく濃かった(^^;
マシンガンのように次から次へとメニューのご説明をいただいた。
それプラス、創業60年のお店で、ダンナさんが70歳で和食料理歴40年の人、料理がおいしいのでそうそうたる料理人が食べにくること、店内隅々までピカピカに掃除が行き届いていること、お隣にある錦市場から極上の素材を仕入れていること、肉うどんの牛肉は有名な三嶋亭の肉を採用していること、娘さんが描かれて随所に貼ってあるイラストのこと、オペラを聴くのが趣味であること。。。
もう話がとまらない。
が、イヤミなところが全くなく、これはおばちゃんの人徳というべきか。
このようなトークを聞きながら、○○うどんを。(メニューの名称を忘れた)
うどんの具としては、天ぷら、ゆば、 みょうが、しめじ。これで2,000円ほど。
いっけん値段が高そうに見えるが、湯葉は錦市場にある創業200年、湯波吉のもの。
錦市場の井戸水で丹念に作っていかれる品質は料亭の瓢亭に納められていることでも有名。
この湯葉をのかたまりが惜しげもなく入っていて、食べるとあっさりしてはいるが旨味を感じる。
天ぷらに使われているエビは巨大なもの。
天ぷらの衣を除いても、丼にかろうじて入るくらいのもの。
みょうがもたっぷり。
このような具の内容であったら、値段が高いとはいえないのだ。
BGMとしておばちゃんのマシンガントークを聞きながら、確かにおいしくいただけた。
で、そのトークの中で出てきた「今日はおいしいオハギがあるねん。これを暖めて食べるとおいしいねん。」との接客でこちらも頼むことに。
普段甘いものを口にしない私がオハギを食べることになるとは、我ながら信じられなかったが、実際に食べてみると、甘党ではない私にもたいへんおいしく食べることができた。
なぜなら、取って付けたようなイヤミな甘さが全くなかったからだった。
おいしさの理由を聞くと、小豆は丹波大納言の極上品を使っているからだとのことだった。なるほど。
使う素材にこだわるお店だからその日によってメニューも変わる。
本日はいいだこの煮物やいわしの煮物が入っていると「裏メニュー」のできあがり品を見せてもらったが、さすがにお腹いっぱいだったので、またの機会に楽しませてもらうことにした。
訪問された料理人の方々が決まって口にされるらしいのは、 妥協の余地のない素材を使いたいことは山々ではあるが、提供価格のことを考えると売れないに決まっているので、ここのお店のように使えないとのこと。
このお店が超高級な食材を惜しげもなく使いながらも、客にさばいていけるというのは、ひとえにおばちゃんのキャラクターが多大な貢献をしているのだと思った。
一度食べれば味には誰もが納得するはず。
それにしてもこのおばちゃん。
おばちゃんの口から「私、”セレンディピティ”をつかまえるのがうまいらしいねん」てなことをお聞きすることになるとは!
そうなのだ。
このお店は日々のセレンディピティを積み重ねながら、現在のようなこの不思議極まりないお店の姿となっているのであった。(といっても筆舌に尽くしがたいので伝えようがない)
おばちゃんは直感と直観の力が優れているのか、私の職業も一発で言い当ててしまった。
いちげんさんであったにもかかわらず、気がつけば、なんやかんやで2時間近く会話が弾んでしまった(^^;
お店名を書こうかとも思ったが、既に多くのブログに取り上げられており(このおばちゃんにお会いした人だったらある意味書きたくなるのも当然かも)、お店側もこれ以上宣伝につながる行為は歓迎されないようなので、やめておく。
知っている人は知っている、知らない人も一度行けば記憶にずっと残ってしまう有名店とそのおばちゃん。
思わぬところでよい出会いがあったことに感謝する。
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