日本酒通のお店を「育てる」
仕事を終えて最近ご無沙汰しているU氏と合流。
ちょっと面白いお店があるとのことで虎ノ門から新橋まで歩き、某豆腐料理のお店に入る。
出てきた料理は湯豆腐、おから、がんもどき、それと漬物。
とてもおいしい豆腐だったが、こちらは豆腐料理店としては普通。
座席数はそう多くはなく、20人も入れば満員。
料理もお酒も良心的価格なので気軽に行けそうなお店。
この一見ありふれたお店に見えるこちらのすごいところは、現在お酒を呑まない私が注目するのもおかしな話ではあるが、この店は日本酒のこだわり方がハンパではないお店であること。


上の写真のように店内には店主おすすめの日本酒銘柄が掲示されている。
がしかし、これらは本当におすすめしたい酒ではないとのこと。
理由はどこのお店にも置いてあるありふれたお酒であるから。
こちらの大将は聞き慣れないがおいしいとの銘柄の評判を耳にしてはそれを見つけ出し呑んでみて、納得できるレベルの銘柄であれば直接蔵元をアポなし訪問して仕入の交渉することを続けてこられており、今や酒通の間で入手困難と言われているものを安価に仕入れられるがゆえに客にもお手頃価格で提供できる体制を築いてきた方だった。
お店のオープン当初から現在のような品揃えであったわけではなく、酒通のマニアックなうわさをお店の品揃えにずっと反映し続けてこられているがゆえに、結果として他にはない充実した品揃えとなっているのである。
だから「かくかくしかじかのテイストの酒が呑みたい」とリクエストすれば、あまり耳慣れない全国の地酒からリクエストにぴったり合ったお酒が次から次へと出てくる。
地酒好きにはこれがたまらないので、何もしなくてもドンドンと口コミで拡がっていく。
私が伺っている最中にも某官庁の集まりによる貸切予約が入ってきた模様。
もちろん「久保田」だの「八海山」だのと有名銘柄をリクエストすれば、それはそれで安価で提供されている。
その上、もともと実家が豆腐屋さんなので、おいしい豆腐が安定的に入ってくるベースもある。
こういったお店のやり方というのは「育てていく」のに時間がかかるので、「いまどきのお店」としてはやろうとする方はほとんど存在すないのだろう。
トレンドとなるキーワードをショップコンセプトに取り入れ、ちょっとオシャレかもしれない店舗デザインとメニューづくり、高いと思われない程度の価格設定を考えていく場合がほとんどなんだろう。
大手チェーンであれば、もしそのコンセプトがウケなくなってきたら、飲食店のジャンルそのものも含めていくらでも変身させていけばよいとも考えるのだろう。
一方で個人経営の飲食店であればこそ、この地酒のお店のようにその気になればお店を育てていくことで他の追随を許さないほどのオンリーワンショップになっていくことが可能であるはずなのに、大抵のお店は短期的な利益ばかりを優先して育てていくところがないのはまだマシなほうで、惰性でお店の経営を継続しているだけであるがゆえにその利益も段々と減っていく一方で、挙げ句の果てには贔屓にする少数の常連しか来ない店へと変貌してしまうことが多いのではないだろうか。
自分のお店を長期的に一貫した芯となるものをもって育てていったお店。
そんなお店が私は好きだ。
追伸
本日宿泊したのは銀座1丁目にあるホテル。
もう書く時間がないので、こちらについては後日書いてみることにする。
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咲本さん、久々に楽しかったです。
今日は昨日泊まられた有楽町のホテルの近くのオープンな焼鳥やに行きました。次回また案内します。
では、では~
コメント by 最近ご無沙汰していたU — 2006/05/10 水曜日 @ 00:05:10
Uさん、次回は焼鳥ですか(^^;
焼鳥代が別途出るのか、ちょこっとリクエストしてみましたので、またご報告させていただきます。
コメント by sakimoto — 2006/05/10 水曜日 @ 04:31:31