「グレの歌」京響・東響合同演奏会に行ってきた
以前のエントリーに書いていたとおり京都市交響楽団と東京交響楽団合同の「グレの歌」演奏会に行ってきた。
http://blog.tokeidai.net/classical_music/verklarte_nacht/
今回の指揮は両楽団で常任指揮者を務める大友直人氏。(京都コンサートホール内の大スロープに飾られている大友氏の写真↓)

甘いマスクのためか、モーツアルトやチャイコフスキーの交響曲ならいいのだが、シェーンベルク「グレの歌」なる大曲をまとめ切ることができるのか、少々不安に思っていた。(別に顔の印象は実際とは関係ないのかもしれないが)
その不安は曲が始まって少し経過したところで、安心感へと変わっていった。
いや〜、実に堂々とした指揮であった。
無難な演奏と言ってしまえばそれまでだが、それにしても演奏を成立させること自体が難しい曲なのだから、ここは絶賛したい。
とりわけ第2部に入って合唱が登場して以降は感激ものだった。
なかなか生演奏を耳にする機会自体がないであろうが、初めて生演奏でわかったことは、予想以上に細部に至るまでかなり高度なテクニックを要求される曲であったことだ。
おまけに金管楽器だけでも、ソプラノトランペット、バストランペット、アルトトロンボーン、コントラバストロンボーン、アルトホーン3名といった特殊な楽器にも対応しないといかないことがわかった。
ハープも4名、チューバでさえ2名いて驚いた。
どうしても気になったのが、フルートはうまいのだが、ピッコロが音楽を台無しにしてしまっていたこと。
ピアニッシモで高音を吹き続けることが要求され、スキル的に正確な音程で安定させることができていなかった。
音質もよくなかった。
まあシェーンベルクの要求が無茶させすぎとも言えなくもないが。
合唱はすばらしかった。
ベートーヴェンの第九の合唱も高音域が出てきて意外と難しいのだろうが、この曲はそれとの比にはならないほどの難度を要求されるので、かなりの猛特訓をしないといけなかったことと予想する。

独唱陣はさすが外人の歌い手達は日本とは違うなあと痛感した。
声に独特の深みがある。
体格の違いからくるものなのだろうか。

細かいところでやや難があったとはいえ、よくぞここまでまとめ上げられたことにあらためて感服する。
今回は座席をあえて2階の楽団後方側にしたので、指揮者の指示ぶりがつぶさに観察できた。
指揮が冷静なところはよいのだけど、口をつぶったまま手の動きだけで指示するので、音の出だしの呼吸が若干合わせにくいのと、音ひとつひとつの終わり方について特別に気遣いしていないように見受けられた。(これは批判というより国内の指揮者には一般的に多く見受けられるパターン)
大友氏もそろそろ50歳になろうとするわけなのだから、これから円熟という名のもとに強烈に個性を出していってもよい時期なのではなかろうかと思う。
そうしていけば、教科書的なきれいな指揮ではなく、もっとクセのある独特の指揮に自然と変貌していくことになるだろう。
17:00にスタートし「グレの歌」1曲だけの演奏だったので18:30にコンサートは終わった。
ちょっと腹も減っていたので、北山の交差点からすぐのうまいもんや 和・洋・酒「こむ」でメシを喰うことにした。
「こむ」というのは「こむら」さんというママさんが経営していて、「こむ」がダンナや息子さんのニックネームとなっているところからネーミングされたとのこと。
北山界隈らしい大人向けの和洋折衷の居酒屋さんで、板前と洋食コックが両方いらっしゃるところが特徴。
コンサート帰りの私のような客が一気になだれ込んだので、手間のかからない料理をオーダーしようとして、食べたのはスズキの刺身、岩ガキ、海の幸カルパッチョ、地鶏ササミの刺身、れんこん饅頭あんかけ、冷えた黄色いトマト。
どれもおいしく召し上がらせてもらった。
スズキは文句なし、岩ガキも美味、れんこん饅頭あんかけは元々好きなのでよく当然おいしい。
予想外においしかったのが、黄色い大ぶりのトマト。
酸味が少なくあっさりしているので熱い時期にはもってこい。

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大友さんは、京都賞でも指揮をされていて、雰囲気出てますねー。
2年連続音あわせ、子供たちの合唱の取りまとめ、調整などされていますが、表現もわかりやすく、まわりが理解して僕がわかるぐらい一瞬でうまく力をだしていけるのがわかるのが楽しかったのを覚えています。
コメント by しおたにあい — 2006/06/26 月曜日 @ 04:15:52
塩谷さん、まいど〜!
なるほど、大友さんがすごい「まとめる力」を持たれているでしょうから、そろそろご自身の表現したいことをそのままわがままに出していくような巨匠の境地に入っていかれてもいいのではないだろうかと思う次第です。
コメント by sakimoto — 2006/06/26 月曜日 @ 08:45:28