ファジル・サイのピアノ名曲集CD3枚を愉しむ
朝一番に某財団さんに企画書を送り、その後すぐ某ベンチャーさんのオフィスで会議。
この会社の社長とはお付き合いは長いのに、今回初めてお伺いしたのが今更ながら不思議なくらい。
その後あっちやこっちとアポを済ませて夜遅くに戻ってくる。
いっぷくも兼ねてHMVのネット通販から届いていたピアノの鬼才、ファジル・サイのベートーヴェンのピアノソナタ集とモーツアルトのピアノコンチェルト集、そしてガーシュイン名曲集を聴く。
って、いっぷくの範囲をはるかに超えてるやん(^^;
ファジル・サイ、ベートーヴェン-ピアノソナタ第17,21,23番
ベートーヴェンの「熱情」「ワルトシュテイン」「テンペスト」として知られる名曲を収録したもので、本来であればわざわざ聴きたいとも思わないところであるが、「ファジル・サイのベートーヴェンって普通の手垢にまみれたベートーヴェンのイメージとは随分違うのではないだろうか」という漠然とした期待があった。
期待は見事に的中し、ものすごいスピード感のある異色のベートーヴェンに感動した。
ガリ勉のお利口さんタイプのピアニストとは一線を画したまだ余裕を感じさせながらの超高速表現と変なロマンチシズムに陥らずして美しいメロディはさすがのもの。
テレビでドキュメンタリー番組が放送されたことで、ピアニストのフジ子・ヘミングが大人気なようであるが、彼女のピアノにはパワーとテクニックは感じられるものの、サイのようなスピード感や軽やかさ、繊細さが感じられず、私はあまり好まない。
それよりも、グレングールドの再来ともいえなくはない、サイがもっと評価されてもよいのではなかろうか。
ファジル・サイ、モーツアルト-ピアノ協奏曲第12,21,23番
モーツアルトの有名なピアノ協奏曲集もサイの演奏でなければ、絶対に聴こうなんて思わない(^^;
ほら、例えば第21番の第2楽章といえば、「短くも美しく燃え」という名でも知られていて、誰でも何度もBGMなどで聴いたことがあるはず。
モーツアルトについては、先日コンサートに行った時の日記に書いたとおり、
確かに不快な音がなく曲の構成もシンプルなモーツアルトの曲を聴かせると植物がよく育ったといったことも聞いたことがあるが、マニアックなファンな らまだしも、私のような凡人には有閑マダムのアフタヌーンティのBGMに最適な曲という意味での心地よさ「しか」提供してくれない。
少なくとも芸術というのであれば、魂がゆさぶられるような衝撃があるものを私は好むし、大体がモーツアルトのほとんどの曲は独奏や小規模室内楽での演奏向きのシンプルな曲であるので、それをフルオーケストラで演奏されても物足りなさを感じざるをえないのであった。
というふうに私はとらえているので、ピアノ曲ならまだオーケストラよりもマシではあるものの、BGM程度にしか思えないところ。
これをサイが手掛けると、BGMの範疇を超えてしまい、思わず聴き入らせてしまうほどに美しく軽やかというか、よくあるお利口さんの演奏とは随分表現の仕方とスピード感が違うので、モーツアルトファンはどう感じるのだろうか?
もしこの演奏を評価してしまったら、ほかの大多数の演奏は取るに足らないものとなってしまいそうなんだけど。。。
ファジル・サイ、ラプソディ・イン・ブルー~サイ・プレイズ・ガーシュウィン
サイ自身が大好きだというガーシュウィンの曲を集めたアルバム。
クラシックのピアニストにつきまといがちの重さは全く感じさせず、ガーシュウィンらしさを楽しめる。
また、セッションしているクラリネットとアルトサックスもまさかクラシック奏者だとは思えないほどのジャズ演奏のテクニックとセンスを感じさせてくれる。
たまにジャズピアニストとオーケストラとの競演を見かけたことがあったが、ジャズの人達はさすがに細かい音符をスラーで演奏するところはきれいなんだけど、細かい音の粒を際だたせるような演奏は苦手なようで、このあたりがサイの演奏だとビート感がありながらしっかり感じ取れて気持ちがよい。
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