チェリビダッケのロンドン交響楽団との演奏
いよいよ一般リスナーの枠をこえてマニアックな世界に突入か?
チェリビダッケ&ロンドン交響楽団 1978-1982(11CD)
1980年前後にチェリビダッケがロンドン交響楽団と行ったライブ録音CD11枚組の限定セット!
「録音嫌い」のチェリは当時発売されているアルバムも存在せず「幻の指揮者」などと言われていて、ちょうどロンドン交響楽団とともに来日公演を果たした時、私は中学生ながら必死でお小遣いを貯めて聴きに行った記憶が蘇る。
当時はチェリはもう60歳代という指揮者として脂ののった時期といえるだけのことはあり、たくさんの噂は聞こえてはくるものの、いったいどんな演奏なのかを知っている日本人は皆無に近かった。
来日公演があって国内での知名度がかなり上がりはしたものの、ライブに行った人とFM放送で流れた演奏を聴いた人だけ。
私はライブ・FM両方によって演奏を聴いて、並の有名指揮者を超越した演奏ぶりに完全に魅了されたわけだが、今再びこうして当時のチェリ&Lsoの演奏に触れることができて、たいへん嬉しいのである。
このアルバム自体はほとんど海賊版に近いようなものであって、録音の質も決してよいものではないが、チェリの求めていたライブ独特の空気が伝わってきて、これはこれで素晴らしい。
当時のロンドン響は名手揃いで、とりわけオーボエ、クラリネット(2人とも名前を忘れた)、トロンボーンは金管楽器を吹いたことのある人なら誰でも名前を知っているデニス・ウィック、チューバはジョン・フレッチャーなんていう人達が名を連ねる。
名手であるがゆえの?単独プレーのような演奏も楽しめる(^^;
このあたりがライブのよいところでもある。
11枚もあるので全部聴くには時間を要する。
ちょっとずつ時間をかけて楽しんでいこう♪
ちなみに同時に入手したアルバムに↓がある。
Celibidache / Stuttgart.rso, Rai Rome.so / Mozart Sym.40&41 Shubert Sym.5 Schuman Sym.2
こちらはモーツアルトが70年代シュツットガルト放送響時代のもので、シューベルトとシューマンは60年代のもの。
「モーツアルトはサラダだ」との問題発言を残しているチェリのモーツアルトを聴いてみたくなった次第。
巷ではモーツアルト生誕250年を記念してモーツアルトの売り出しに余念がないが、私はモーツアルトをそれほど好まない。
以前にも書いたことがあるが、有閑マダムのアフタヌーンティでのBGMとしてホテルのティラウンジでかかっているのにふさわしいくらいにしか思っていない。
そういう意味において、チェリの問題発言と私自身のイメージとは合致するわけなのだが、そのチェリが一体どういう演奏をするのかに興味を持ったわけである。
で、聴いてみて度肝をぬかれた。
第1楽章は予想だにしなかったスピードのある演奏。
非常に軽快で、かつ細部までこなれている。
ところが第2楽章に入ると、いつものゆったりとしたテンポによってチェリワールドが繰り広げられる。
この極端ともいえる緩急の妙によって、たいへん魅力的なモーツアルトになっている。
一般的にはモーツアルトはサラダであってメインの魚・肉料理にはならないとの考えを持っている私も、オードブルくらいにはなりうるモーツアルトの演奏を聴けたことに驚いたのであった。
追記
1980年という私がまだ中学3年いう多感な時期に、チェリのライブを聴いたということ「だけ」で、ファンとなっているわけではない。
なぜなら、同じ年に来日したダニエル・バレンボイム指揮のパリ管弦楽団、 エーリヒ・ラインスドルフ指揮のベルリン放送交響楽団と、2つも公演を聴いているにもかかわらず、バレンボイムの演奏には大した感銘も受けず、ラインスドルフに至っては凡庸な演奏だったとの印象が残っている。
両指揮者による演奏には、あまり関心を持っていない。
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