トランスとルイ・ヴィトン
ブルックナーの交響曲を聴き、ファジル・サイのベートーヴェン・ピアノソナタを聴くというCDの曲目の流れ自体、ちょっとおかしな感じがするが、そこにHipHopが続くとなると、いったいどういうことやねんと思われるかもしれないが、下記A Tribe Called Questのベストアルバムは不思議とこの流れにおいてもマッチする。
まあHipHopといっても、このアルバムはメチャおしゃれだし、ジャズっぽい要素も少し入ってきていて、決して単純ではなく繊細さを感じさせる曲が並ぶ。
収録曲の曲名にもあるように、”Can I Kick It?” (「ラップをやっていいかい?」のような訳になる?)と彼らが1990年に言っていた頃以降は、もう完全にディスコミュージックの死を宣告しているようにも聞こえた。
当時のディスコミュージックには、現在トランスと呼ばれているような類のものが多くかかっていたわけだが、ファッションにおいてルイ・ヴィトンのモノグラムの巾着を肩から掛けている人と同じくらいトランスなるものがダサいのは、すでに80年代でも明確に認識していたわけで、 そんな新しい時代にふさわしい音楽を次々と発表していってくれたのが、ほかならぬA Tribe Called Questなのであった。
それにしてもトランスがいまだ音楽として成立しているのって、未だにルイ・ヴィトンのモノグラム巾着袋をたとえにしてみたが、なかなかうまいたとえかも。
なぜなら、4ビートでしか足が動きそうにないというか、堂々とそのような踊りを見せそうな人と、ルイ・ヴィトンのモノグラムの巾着袋を持ち歩いていておしゃれであると認識している人とのイモっぽい美意識具合が、たいへんよく似ているように思うわけである。
ちなみにunderworldのようなテクノ系へと進んでいった路線も結構好きなほうだが、どちらにしてもトランスのようなものとは相容れない。
そしてこのようなテクノ系とクラシックも聴いていて邪魔し合うことはないのだ。
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