京都寺町「八百卯」の完熟プラムジュースを飲みながら思いめぐらす
午前中から高台寺のまほうやさんと寺町二条の清課堂さんにご訪問。
用事が終わるとお昼になっていたので、まほうやさんとすぐそばの「八百卯」のパーラーでフルーツサンドを食べた。
私がこのお店に来たのは20年ぶりくらいかな。
フルーツサンドは高級メロンをはじめとして有無をいわせぬ果物ばかりが使われていて、改めてどうこう言うまでもなくウマい。
これがたった600円なのには驚く。
飲み物は完熟プラムのジュースをいただいた。
完熟プラムは今の一時期しか楽しめないらしく、店主さんオススメの品。
渋味もほとんど感じず、さっぱり甘くてとてもおいしい。
作り方は絞って作るらしいのだが、企業秘密らしい。
こんなにおいしいプラムは初体験。
そこで長年このお店に通われているまほうやさんの顔で、プラムの実もいただくことにした。
う〜む。
なぜこれがプラムなのか信じられないおいしさ!
店主さんからイロイロお話をお伺いしていると、お店の果物は一般的な卸売市場ルートばかりから仕入れるのではなく、 果物によっては直接農家から仕入れたり、市場であっても仕入れる農園が決まっていたり、輸入物でも限られた特殊ルートであったりと多岐にわたり、気候の影響が仕入れにまともに響くので、ご苦労が絶えないとのこと。
昔は日曜も無休であったそうだが、今はシャッターを下ろされている。
それもこれも月曜日の仕入れを手配するために営業できなくなってしまったからとのこと。
例えば取り扱われているメロンは宮内庁御用達の農園のものなので、ほとんどの果物屋さんが入手できないらしく、転売しようとすればできるランクのものらしい。
また、商品がデリケートなものであるから、配送業者による商品の取り扱われ方相当敏感になっていらっしゃる。
トラックの荷台で運んでくるなんてもってのほか。
助手席に置いて丁寧に運んでくるのが基本(^^;
ちなみに八百卯のフルーツパーラーは、梶井基次郎『檸檬』の主人公がレモンを買ったのがこのお店1階の果物屋さんで、そちらの2階にある。
1階で果物を買うと高級品ばかりなのでそれなりの金額がかかってしまうが、同じ果物なのに2階のパーラーだとその日の店主さんオススメのフルーツが気軽に楽しめる。
八百卯は創業120年とのことで、おそらく創業時には華族をはじめとした一部の上流階級向けのショップであったのだろうが、この商品へのこだわりは、売上第一主義に安易に走らず、現在に至るまでそのスピリットを引き継いできていらっしゃるということなのだろう。
普段行く機会のない老舗のフルーツショップに来たものだから、今度東京に行った際(ひょっとすると来週早々?)には、まだ一度も行ったことのない「万惣」に立ち寄ってみたくなってきた。
この万惣という果物屋さんも創業160年にもなる老舗。
こちらの果物屋さんにもフルーツパーラーがあり、しかも池波正太郎がこちらのホットケーキを愛してやまなかったという小説家ゆかりのお店という共通点がある。
まあそれはどうでもよいことで、万惣の興味深い点は、東京オリンピック開催の高度経済成長時、果物のニーズが劇的に高まり、今まで取引されていた多くの高級ホテルや料亭から、果物の値段と果物の大きさを見るだけの安易な形での注文が殺到した当時、こられの取引を一切やめてしまわれ、売場面積を縮小されたお店でしか売らないと決断されたのだ。
ずっと品種改良・開発のために産地の農家にまで行かれるほどのおいしい果物を追求され続けてきたその品質を維持しようとすると、その品質を満たせるだけの果物は、縮小した売場で販売するだけのものしか入手できなかったからである。
ここで私は考えてしまう。
八百卯や万惣がされてきたことは、量の拡大ではなく質の拡大であることは理解できるのだが、私自身が経営者の立場だった場合に、売上を劇的に伸ばして飛躍できる千載一遇のビジネスチャンスのようにも見えなくもない時に、「いや、我々は量ではなく質を求めるのだ」と意志決定して、売上を伸ばすどころか、既存のおとくいさんとの取引をお断りしてまで「質」を追求していけるのだろうかということ。
数年のうちに売上を2倍・3倍と拡大していけるチャンスが目の前にあって、それでも「量」ではなく「質」的拡大のほうが優先されると果たして決断できるのだろうか?
確かに極上のおいしい果物をお客さまに提供することで、お客さまに感動を提供することができるのだろうが、このような意志決定は、口先で言うほど実際には簡単なものではなく、しかもこの点が「ブランド」を研ぎ澄ましていくのには、とても重要なポイントに思えるのだ。
てなことで、東京へ行った際に時間が確保できれば、万惣のパーラーで名物のホットケーキと共にフルーツを堪能してみたいと思っている(^^;




京都は昨日と比べて気温10度アップ。





































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