2006/03/18 土曜日

京都の料亭マーケティング第3弾

Filed under: マーケティング, 食べる・呑む — 咲本 @ 23:56:43

京都の料亭第3弾の訪問は、個人・家族経営の側面よりも企業としての取り組みに注目したく、某大企業系のホテル直営のお店にお伺いした。

こちらはホテル内にあるお店であるにもかかわらず、急に訪問しても受付してもらえず、最低2日前までには予約しておかないと対応してもらえない。

お部屋の構成は

  1. 2〜3名向きの個室
  2. 茶会用の炉のある4名用の座敷
  3. 円卓で6名まで対応できる座敷
  4. 4名、6名向きの部屋の壁を取り払い、掘り炬燵の炬燵の形状も変え、テーブルを一列に並べた12名まで対応できる座敷
  5. 立食であれば20名まで対応できる洋室

この5つのパターン。

先附

↑まずは先附。まだ中味が隠れた状態。お箸と右端に少し見えている盃には「壽」の文字が入っている。
これはちょっと意地悪をしてお店訪問の直前に「本日、相方が誕生日」と連絡しておいたため。
金粉入りの祝い酒が出てきた(^^;
電話した際には「ケーキなどをご用意しておきましょうか?」との質問があった。勿論お断りしたが、このあたりはさすがにホテルである運営体制を十分に活かした対応ができる模様。
それにしても、さすがに誕生日向けの無難な対応をされてきた。
先附・前菜

↑先附の囲いを取り払うとこんな感じ。

前菜

↑こちらは前菜。お料理のテーマ的に春を思わせるものと雛祭りとなっているようで、先附に使われているよもぎや、前菜の3色のだんごといったもの、このあと出てくる随所に春らしさの感じられるもので統一してあった。

椀1

↑椀物。

椀2

↑椀物の中味。

造り

↑お造り。

煮物1

↑煮物。

煮物2

↑煮物のフタを取ったところ。タケノコがおいしい。こういう器を○○写しとかなんとかいう会席料理の典型的なパターンらしいことを若女将さんに教えてもらったが、名前を忘れた。

焼き物

↑焼き物と和え物。春らしいソースがかかっている。

蒸し物

↑蒸し物。写真を撮る前についつい食べてしまった。

ご飯・止め椀・香の物

↑ご飯・止め椀・香の物。

デザート

↑フルーツと奥にわらび餅。徹底して春らしさを演出。

和紙の装飾1

↑玄関を入って正面に迎えてくれる屏風の代わり?のようなもの。中から仄かに光る灯りが独特の雰囲気を醸し出している。座敷内にもさりげなく間接照明が使われており、このあたりの光を使った演出が凝っている。

和紙の装飾2

↑こちらはエレベーターホールにある和紙の飾り物。玄関のものと対になっており、玄関の方はお出迎え、こちらのものはお見送りの意味を持たせているらしい。
制作されたのは和紙造形では有名な堀木エリ子さん
そういわれればなるほど彼女の作風だなあという雰囲気が出ている。

個室

↑写真を撮るのを忘れていて、ちょっとパクってきた画像(^^;
こちらが2〜3名用として食事させていただいた個室。
掘り炬燵式になっており、炬燵部分は比較的浅く、そのぶん座椅子に高さを設けてある。
ホテル内であるためお庭はなく殺風景となりやすいが、壁面を板張りにしてアールを持たせ、間接照明によって明暗を持たせることで独特の雰囲気がある。
直接照明はテーブル上に集中させている。

完全予約制となっているため、その日の混み具合によってホテル従業員の体制を調整しやすく、効率がよい。
私達の応対をしてくださった方から名刺をいただいたが、着物を着たホテル従業員の方であった。

以前はカラオケルームだったそうで、数年前に現在のような直営予約制料亭に様変わりしてからのほうが、断然人気が出たとのこと。
なるほどこのようなお店のほうが立地とホテルの格からすればウケることはよく理解できる。

既存の高級料亭が集客に苦戦している中、ホテルの立地のよさもあって繁盛している。(といっても客室数自体が少ないわけではあるが)
奇をてらったところはないが、接待向けや慶事、お見合いの席など、あらゆるシーンに無難であるように感じた。
壁自体の取り外しができ、掘り炬燵も自在に変えていくことができるようになっているところは、たいへん参考になった。

こちらのお店は昨年12月に利用させてもらったことがあり、今回が二度目であったのだが、支配人が私のことを覚えていらっしゃったのには驚いた。
おそらくはいちげんさんの来客者であっても、その都度顧客管理ソフトにデータ記録し、それを随時参照されているのだろう。
このあたり、個人経営的料亭には不備がある場合があり、やはり企業の運営するお店だなと思った。

2006/03/09 木曜日

京都の料亭マーケティング:訪問第2弾

Filed under: マーケティング, 食べる・呑む — 咲本 @ 01:37:50

京都の人達もほとんど知らない某隠れ家的創作会席料理のお店に某料亭女将さんとお伺いした。

料亭外観

↑これが料亭の外観。

山にもほど近い閑静な住宅地の端のほうにある。
車の通行もない路に目立った看板も一切掲げずに営業されている。
古い民家を改装されたお店である模様。
初めてだったので場所が判りづらく、お店に到達するのに骨が折れた。

料亭玄関

↑玄関に入ったところ。
京都の歴史を感じさせる演出。

料亭個室

��

↑お通しいただいたのは、4人用の掘りごたつ式のお部屋だった。
各種骨董品や着物などが飾られている。
骨董品はオーナーのコレクション、手描き友禅はおじいさんが染織家だったらしくその影響か。

いわゆる接待向け料亭の雰囲気はなく、オーナーの趣味が色濃く反映されたお部屋の演出。

桐のタンス、古いミシンやアイロン、人形などが並んでおり、いい意味では常連さんが隠れ家的なお店でほっこりできるといった雰囲気。

反面「いちげんさん」や接待モードの場合には、個性が強い分好き嫌いが分かれるかもしれない。

お造り

↑舟盛り風お造り

椀物

↑椀物

ホタルイカとフルーツトマト

↑ホタルイカとフルーツトマト。変わった器。棚に収まっていたり、飾られていたりする陶磁器のコレクションもすごかった。お抱えの作家さんもいらっしゃるとのこと。
創作会席らしい一品。

蒸し物

↑蒸し物。これまた器が美しい。

牛肉ステーキ­

↑創作会席らしく?本来揚げ物であるはずのところに牛肉ステーキ山椒ソースがけ。
この器もかわっている。

お漬け物

↑これには圧巻!ご飯と一緒に出てきた山盛りのお漬け物。酒席で料理の量があまり食べられなかったり、好き嫌いの多い人であったとしても、締めとなるご飯にこれだけの漬け物が登場したら食欲がそそられるはず。

結局のところ、いくらこだわった食材と手の込んだ料理を提供したとしても、1週間も経てばどんな料理だったか忘れてしまうことが多いはず。

最後に山盛りのお漬け物でたらふくご飯をよばれて満足感を味わい、ほっこりとした「経験」はいつまでも残る。
また、凝った器に感心したことも、次回訪問時にはどんな器で出てくるのか楽しみになるという期待がもてる。

で、思い出して、「また、このお店でほっこりしよう」と再び食事に来たり、知人をとっておきのお店として誘ったりしてしまうことになるのだろう。

勿論、ご飯はおかわりした(^^;

デザート

↑デザートにはアイスクリームと白ワインゼリーを使ったものが。お昼は場所柄から考えても、ご婦人方が圧倒的に多いであろうことが予想され、そう考えたらこんなデザートが出てきたら、喜ぶ人は多いことだろう。

一番最後には会席コースとしては珍しいことにコーヒーをいただいた。
でも直前にデザートが出てきたことによって、何の違和感もなかった。

ただ、ひとつ残念だったのが、食後の感想を求めるべく、アンケート用紙を置いていかれたこと。
せっかくの雰囲気が台無しではないか。
ファミリーレストランのチェーン店であるまいし。

最初なぜなのか不思議であったのだが、おそらくは最近たて続けに3店舗オープンされたとのことで、バックに飲食系コンサルタントが付いており、その入れ知恵に違いないと思い、勝手に納得したのであった。

トイレ

↑清潔なトイレは飲食店の基本中の基本といわれるが、ここにはサプライズがあった。
高価な年代物風の絵が大きな鏡に映り込む姿がお見事!

オーナーは最近になって多店舗展開をされているらしく、持ち帰ってきたパンフレットには合計4つのお店が掲載されている。

今回お伺いしたのが、いわば本店で他のお店もこのあたり周辺に点在している。

その割にネットで調べてみても、公式ホームページは存在せず、ごく少数の口コミ情報が得られるだけ。

その他3店舗は観光地に立地し、昼は2,000〜3,000円程度、夜は5,000円程度で食事ができるので、いちげんさんの観光客でも十分取り込めるだろう。

ところが、この本店は観光地から少し離れた住宅地で、しかもたいへんわかりづらい場所。
お値段も昼が5,000円〜、夜が7,000円〜と飛び抜けて高くはないが、他の3店と比べると高価。

この本店がそれなりに繁盛しているようで、客として同席の某女将は「お客さんからよくこのお店の評判を耳にすることがあり、一度食べにいってみたら」と言われるらしい。
今回実際にお店にお伺いして、お客さんの口コミで常連の来客が拡がっている謎がわかった。

  1. まずは先程指摘したとおり、締めに出てくる種類が多く大盛りのお漬け物。
    ガブガブと食べられるお漬け物とご飯で締める満腹感によるほっこりとした経験は記憶に残り、再びその経験をしたくなる。
  2. 古い民家だとわかる室内、タンス・骨董品・着物・人形などのコレクションにより、古い実家に戻ってきたような感覚を想起させる雰囲気がある。
  3. 器へのこだわり。
    次回来店にどんな器が出てくるのか楽しみになる。
    昼間にお伺いしたので、スタッフのランクがいまいちだったかもしれず、普通の器も出てきたが、夜になると、お昼以上にこだわりを発揮される可能性がある。
  4. ホームページなど、いちげんさんが行くための情報がほとんどなく、場所もわかりづらいところが、かえって地元の常連さん達がひいきにするお店としての口コミを誘発することにつながっている。
    京都の人間は概してお気に入りのとっておきの店を知り合いに紹介する場合、有名料亭のように名前が知れ渡っているところを紹介することはない。
    このお店のように一般の人達が情報を持っていないことは、逆に口コミ発生には有利にはたらく。
  5. 価格設定を料亭としては比較的リーズナブルなところに抑えている。
    常連客をしっかりつかまえるには、15,000円以上のコースばかりでは高すぎる。
  6. ネットで発見。自社のホームページもないにもかかわらず、料亭らしい高級イメージのオリジナル商品を通販展開していた。お店には全くそんなそぶりがうかがえないということは、地元以外の商品購入者が京都観光の際、店舗に来てもらおうとの狙いもうかがい知れる。ちなみに店舗と通販とを事業として完全に分けているのは、地元での店舗のイメージが、通販に精を出していることによってマイナスイメージとならないように、細心の配慮がはらわれているためだと推察する。

来週末あたりに第3弾の会席料理訪問を行う予定。

夜は大阪市立大学の社会人大学院セミナー室へ移動し、関西ベンチャー学会理事会に出席。

いつものパターン?で終了後は先生方と呑み会となり、午後11時30分帰宅。

2006/03/02 木曜日

インターネット・マーケティング講座の教科書

Filed under: マーケティング, PCネット・ビジネス, 講演・講義 — 咲本 @ 01:10:42

デジタルハリウッド大学院の第1セメスターで行うインターネットマーケティング論の教科書をやっと決めた。

悩んでいたのは「インターネット・マーケティング」講座の教科書をどうする?」で書いたとおり。

結論的には参考書を含め4冊をあらかじめ購入してもらうことにした。

統合マーケティング戦略論そのうちの1冊は『統合マーケティング戦略論』にした。
今のところドン・E・シュルツ一派が、大きなマーケティング論の潮流の中において現場サイドからすると一番的を得た議論を展開しているのではないかと思う。

コトラーの本あるいはその一派の本は悩んだ挙げ句、却下(^^;

マイケル・ポーターと共に大嫌いなコトラーとはいえ、先日の講演でもしっかり取り上げたわけだし、教科書としてしっかり勉強してもらった上で、大学院生達にボロカスに批判してもらうのもよかろうとも一瞬思ったのではあったが。

改訂シンプルマーケティングもうひとつの教科書は森行生さんの『改訂シンプルマーケティング』

翔泳社刊がずっと品切れのままだったが、ちょうど改訂版が出たばっかりで助かった。

どうしても欧米流のマーケティング論だけでは、商品やサービスへの「まなざし」が甘いというか、「施策」のようなものだけで突破しようとの姿勢が強すぎるのだ。

そこは日本を代表するマーケターの本から学んでいただくというところでフォローしておかないと。

あとの2冊は参考書として購入してもらうもの。

価値共創の未来へ1つ目は プラハラードの『価値共創の未来へ』

巷では「エクスペリエンス・マーケティング」なんていったネーミングで小手先のTipsが語られる機会が増えてきている。
こちらはTipsや解答がないところを議論の的にしているもので、そこがかえってスリリング。
そもそも暗記物の知識だけで商売がうまくいくわけがないのだ。
課題図書として何らかの取り組みをしてもらう予定。

RSSマーケティング・ガイドもう1つの参考書は『RSSマーケティングガイド』

4冊の中で唯一のインターネット系書物(汗)

でも教科書にはせずに参考書(^^;

ネット系の取り組みって時々刻々状況が変わってくるので、なかなか教科書で勉強してもらうというのは難しいのであった。

それに「読む」という以外に「体感する」というところがとても重要。

こちらの本も読んでもらった上で何らかの課題を出す予定。

今のところ4月後半に最初の講義を行い、その際に課題をたっぷり与え、GW終了後の第2回目から本格的な講義が始まって、7月中に全ての講義が完了する段取りとなっている。

そう考えれば、ちょっとハードかもしれないが、最低限必要な知識とスキルを付けてもらうためには頑張ってもらうしかないのだ。

2006/02/23 木曜日

京都の有名料亭でコンサル?

Filed under: マーケティング, 経営戦略, 食べる・呑む — 咲本 @ 06:25:33

昨日はどこかは言わないが某有名料亭で懐石料理をご馳走になった。

お箸

前回書いていたように、 クライアントさんと共に訪れ、今後のマネジメントを考える際の参考にしようとの目的からである。

だからどの料亭を訪問するかという選んだ基準は「京都で最も高級であろうお店」や「料理人の個人プレーで繁盛しているお店」といったものではない。

基準はクライアントさんの目指す方向性に合わせ、「チェーン展開してはいないが組織としてうまく経営に取り組んでいそうなお店」であった。

16畳半のお座敷に床の間、部屋の二面にお庭が見えるところで、クライアントさんと2人でお昼をよばれるという、なんとも贅沢なものだった。

この料亭は元々は仕出し屋さんからスタートしたらしい。お店の立地が少々わかりにくいところに構えられているところがその名残りか?

その後一般ウケする比較的安価な弁当(登録商標済み)が開発され、また本来の仕出し屋としてのノウハウを活かした量産体制も強みとなり、観光客誘致に成功された。

百貨店の食品売場にも進出され、知名度抜群のお弁当も販売されている。

また某全国的に有名な神社がすぐ近くにあることもあってか、結婚披露宴にも力を入れている。
女将さんに部屋を拝見させてもらったが、100名まで対応可能なお座敷とホテル風パーティルームも完備されている。

すぐ近くでは、18年前の料亭建て替えと機を合わせてオープンした「スフレ専門店」を長女が経営している。

このように少し派手な展開をしているように見えなくもないためか、地元京都での口コミ的には「有名料亭ではあるが味は昔と比べて落ちているのでは」とよく耳にする。

こういった口コミが京都で料亭を経営していくのには無視できない重要な点で、口コミであるがためにコントロールできないことが、売上に大きく響くのである。ホントに難しい。

実際、懐石をよばれてみたところ、口コミで言われているようには味に問題があるとは思えず、スタッフの対応も十分行き届いたものを感じた。

これだけのお部屋で高品質の料理とサービスを提供されているのであれば、十分満足できるし、これ以上どこを改善すればエエねん!ってな感じである。

料理人の料理の味「だけ」に店の運命が左右されるということでは、組織は永続しない。

一方ではこの料亭のように、ブランドとなる商品開発に成功したとしても、店の知名度が上がり一般観光客から大きな利益を上げることは可能ではありながら、料亭本来の評判としては必ずしもプラスに働くわけではないのである。

設備投資についても、一部の有名料亭はびっくりするほどお金を投入しているはずで、これを回収するためには、一代かけてやっとどうにかなるといった、たいへんな長期にわたってのものとなってしまう。

普通のビジネスであれば、こんな設備投資のしかたはあり得ないわけで、実際、一部の有名料亭は既に銀行の手に渡っている。

いやはや、料亭を営んでいくのにクライアントさんにとって、その模範例とすべきモデルは存在しない。

逆にそこがこれからビジネスの展開を考えていく上ではチャンスでもあり、まずはここ1年の取り組みについては、お料理を堪能させてもらいながら、おぼろげではあるが見えてきたのであった。

また、今回の経験で、ちょっとした配慮や工夫もたくさん学ばせてもらった。

写真はお座敷内のコンセント。
「蝶々」をスライドさせてコンセントを使う。

コンセント

2006/02/22 水曜日

「老舗」?がこれではダメですよ

Filed under: マーケティング, 食べる・呑む — 咲本 @ 05:32:45

なんとも疲れが溜まっているようで昨日は午後9時頃寝た。

昨日昼飯を喰ったのは、徒歩3分のところにある大正二年創業の老舗店。

入口が二カ所に分かれていて、 下の写真では手前側が団体予約客の昼食または夕方から開店する会席料理用。奥側(わかりにくいが)は鮨屋の入口。

���家

私のクライアント先に京都の料亭さんがあり、本日そのコンサルがはいっていることもあってのことなのか、なんとなく近所の店を視察したくなったのである。

ということで鮨屋のほうの入口から入った。

第一印象。
ここは場末の大衆食堂か(笑)

確かに取り扱われているメニューとしては、夏はハモ料理、冬場はカニ・フグ、定番メニューは鮨一式、スッポン、ウナギ料理、懐石料理、鍋料理、各種一品料理となっており、仕出しにも対応、10室以上ありそうな個室や宴会用の大きな座敷も備えている。

入ってすぐ、古めかしい町屋風印象とはならず、「ボロい店やなあ」と思った。
「古めかしい」というのと「ボロい」とでは大きく違う。

和風の天井材を所々修繕したのか90センチ角ほどの洋風天井材が貼り付けてある。

カウンターの椅子はまるでレトロな洋食店のように白いシーツ様生地のカバーがついたもので、鮨屋の店内に独特の違和感を醸し出している(笑)

店内奥に置かれた水槽の中はガランとしていて「アジ」が2尾泳いでいる。昨夜に大量オーダーが入ったのであろうか?

うっすら聞こえてくるBGMは、なぜだかチャイコフスキー「白鳥の湖」(笑)

カウンターの中は物だらけで雑然としており、どこかのスナック・喫茶店によく見受けられる感じ。

更にはカウンターのショーケースをよく見ると、うっすらとホコリが!

対応にきたパートのベテラン風おばちゃんにメニューの質問をしてみても「私、どれがおいしいなんて、わからへん」って、おまえが説明できずにどうするねん!

1000円のランチメニューが3種類ほどあったが、いかにも安かろう悪かろうといったメニューでありそうな気がしたので、あまり気乗りのしないまま2500円の上にぎりを注文。

仕方がないなあといった出で立ちでカウンターに板前さんが登場し、にぎってくれた。

鮨屋や魚屋は、「ニオイ」だけで食べる前からある程度のレベルがわかる。
新鮮なものばかりを取り扱っている一部の店には、魚臭さがまったくしないものである。
仮に高級品を仕入れているとしても、新鮮ではない魚がおいしいわけがない。

このお店もショーケースを開けられた際にただよったニオイで「ああ、やっぱり」とガッカリした。

出てきたのは案の定というか、いやな予感的中というか、まるでスーパーでにぎりを購入したのと変わらないような味と品目。

赤出しはどうかなとフタを開けたら、なんと合せ味噌で、魚のアラが入ってはいたが、この雰囲気から想像してしまうのは、昨夜の魚から出たゴミをぶち込んだだけというように受け取ってしまう。
アラ以外に薬味ひとつ入っているわけではないところからも、まあ当たらずといえど遠からずか。

あまりにもひどいので、そそくさと会計を済ませようとしたところ、おばちゃんは「釣り銭がいらないようだったら、ここで受け取らせてもらう」と、入口近くにあるレジに行くことも邪魔くさい模様であった。

以前このお店の料理屋側のほうには某財団の方々と訪れたことがあるのだが、その時はここまでひどいとは感じなかった。

おそらく昼間の個人向け対応はあまり儲からないので力を入れてないということでもあろう。

経営者は、力が入ってない姿をさらし続けると、常連客がつかず、悪い口コミが蔓延することを認識しているのだろうか?

残念なことに、このような飲食店がそこここに京都の老舗だと名乗って営業をしている。
旅行代理店と組んで、団体客を獲得していけば十分やっていけるということなのかもしれない。

でも地元の人間からすれば、こんなお店に二度と行くことはない。

ここよりももっと全国的に抜群の知名度を誇る高級老舗料亭でさえも、少し味が落ちると、その口コミが蔓延していく街なのだから。

本日はこのあと、某有名老舗料亭で会食する予定。

とはいえ、これは仕事として行くのであって、クライアントさんとこの店のサービスやマネジメントを参考にしながら、中期経営計画を築いていこうとの試みである。

ちなみに「参考」にするとはいっても、真似ようという意味ではなく、客観的に評価しやすい他人の店をダシにしながら、アイデア発想のヒントにするといった意味あいなのだっだ。

2006/02/06 月曜日

「経済」「交易」「市場社会」の根源的意味は?

Filed under: 雑記, マーケティング, PCネット・ビジネス, 読書 — 咲本 @ 23:33:49

今から4年前、2002年1月28日に書いたコラム「非市場経済~沈黙交易とネットオークション~」を久しぶりに読んでみた。
http://www.sakimoto.biz/95.html

同時にそのコラムで批判しているワン・トゥ・ワン・マーケティング協議会の坂本氏の論考とを比較してみた。
http://www.1to1.ne.jp/special25.htm

改めて私の荒削りでお粗末な話と坂本氏の世間一般のマーケティング論としてのもっともらしさを再確認した。
しかしながら、経済とは、交易とは‥‥、といったことを根源的につきつめていくと、私の突いている話もまんざらでもないと再確認できたのであった。

この中で私は沈黙交易についてふれている。
実は交易というのは、歴史的に近い距離から遠い距離へと広がっていったのではなく、そもそも遠距離間の交易のほうが古くから行われていたことが確認されているのである。
近距離から遠距離に発展と考えたとすれば、それは市場社会に染まった我々の幻想なのだ。

私は経験したことがない沈黙交易について想いを馳せる。
ネットオークション経験と似ているとすればどんな点なんだろうか?

沈黙交易とネットオークションとを結びつけるのには強引すぎるにしても、交易の原初的形態から考えてみるに、ネットオークションやネットショップというのも、新しいインフラを活用した非市場社会への揺り戻し現象だと捉え直してみると、どうなるのだろうか?

大多数の人達はいわゆる市場社会の連続的発展の中にネットオークションやネットショップをプロットすることだろう。

しかし経済というのはある時期に非連続的に変化していくものであって、結果的にインターネットというインフラが普及したからネットオークションやネットショップという形態が登場したわけではあるものの、事態は経済合理化・効率化の思想からは説明しきれないところにきつつあると、私は最近ますます考えるようになってきた。

う~む、端的に説明しきれないもどかしさがどうしても残ってしまうところが、なんとも気持ちがわるい。

ちょうど最近、

を読んで、刺激を受けたこともあるかもしれない。

橋本治ちゃん(どうしても『桃尻娘』の作者の印象を引きずっている私)は、破綻しそうになっている市場原理の思想を、学者からの引用なんてことをすることもなく、難解な言い回しを極力廃しながら、経済人類学者カール・ポランニーを熟読したであろう根源的問題意識と自分自身の生理と弁証法的論理とをもとにして暴こうとしているのであった。

この治ちゃんの端的に語れない、なんとも落ち着くところが定まりが悪いような気分、よ~くわかる。

この本の世間での感想をアマゾンのカスタマーレビューで確かめてみると、相変わらず表層的に読んで捉え損なった感想が多くて愕然としてしまう。
資本主義経済の虚構性を暴き、それでもこの基本原理自体がおかしい社会で生きていかざるをえない治ちゃんの気分とはほど遠い。

カネを儲けたヤツほどぶっちゃけたところはこの世の中では偉く、治ちゃんのようなことを考えること自体「負け組」の発想であり、なんだかんだ言ってカネ儲けに繋がらなさそうなことを考える余裕なんてないわ、でもCSRなんて注目されているから、その口実に繋がる話なら少しは参考にしてもよいけど。。。
なんていう市場原理思想に毒された人達が多いのだろう。

そんな人達が、本人は気づかないまま、飽和点を超えつつある市場社会でしゃにむにビジネスに精を出しているうちに、次のヒューザーや東横イン、ライブドア事件を起こしかねない予備軍となっていくわけなのだ。

あっ、2月17日に京都の商店街さんに向けて、根源的な意味の経済をふまえた上で語らなければならないかもしれない講演(そうでないと商店街活性化の方向が上すべってしまうだろう)を控えているので、余計にこのようなことを考えてしまうのかもしれなかった。

2006/02/01 水曜日

「インターネット・マーケティング」講座の教科書をどうする?

デジタルハリウッド大学院の第1セメスターとして4月から始まる「インターネット・マーケティング」講座で使用する教科書やら参考書やらを、そろそろ選定しないといけなくなってきた。

いくらネット云々といっても、事業そのものをネット以外のところも含めて全体的に考えていかないとうまくいくわけがないはず。

そこでネットのことというより、少なくとも前半にはマーケティング全般についてのベースをしっかりとやっていかざるを得ない。

ということで、教科書候補のひとつは

コトラーのマーケティング・マネジメント 基本編
フィリップ・コトラー 恩藏 直人 月谷 真紀
ピアソン・エデュケーション (2002/10/05)
売り上げランキング: 21,063
おすすめ度の平均: 4

3 とりあえず読んだが
5 完璧でした!
4 いくつかあるコトラーの中では一番簡単

となるかな。
まずまずの無難な選択?
「ミレニアム版」のほうは、分厚すぎて持ち運びに不便なので、社会人大学院生が日々読んでいくことが難しいと考える。
コトラーにはたくさん文句があるが、コトラーの説を学んでもらった上で学生さん達と徹底議論するのもよかろう。

一方でネットも非ネットも分けること自体無理があるのだとすれば、「統合マーケティング」学派を教科書としてもおかしくはあるまい。
例えば、

マーケティング統合戦略
ドン・シュルツ ハイジ・シュルツ 上木原 弘修 州崎 健 宮澤 正憲
ダイヤモンド社 (2005/10/28)

この路線であれば、ブランド論について深めていくことも可能だし、なんといっても顧客とのコミュニケーションについてしっかり展開されているがゆえに、ネット活用ともスムーズに関係づけやすい。

あるいは教科書としては変化球となるであろうが、クリステンセンの3部作なんてどうだろうか?

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき
クレイトン・クリステンセン 玉田 俊平太 伊豆原 弓
翔泳社 (2001/07)
売り上げランキング: 2,632
おすすめ度の平均: 4.71

5 新技術のダイナミズムを納得の1冊
5 今、この瞬間に役に立ちます
4 変化を求められている時代だからこそ

 

イノベーションへの解―利益ある成長に向けて
クレイトン・クリステンセン マイケル・レイナー 玉田 俊平太 櫻井 祐子
翔泳社 (2003/12/13)
売り上げランキング: 3,753
おすすめ度の平均: 4.36

5 より実践的な内容に。経営幹部が問うべきことがコンパクトに。
4 内容はとてもすばらしいが、翻訳がダメ。
5 新規事業立ち上げに関わる人は必ず読まなければならない本

 

明日は誰のものか イノベーションの最終解
クレイトン・M・クリステンセン スコット・D・アンソニー エリック・A・ロス 宮本 喜一
ランダムハウス講談社 (2005/09/16)
売り上げランキング: 4,509
おすすめ度の平均: 4

2 判りやすいのだが,,,
5 やっとわかった!
5 歯ごたえ十分

う~ん、内容が先端技術系寄りなのでベンチャー的な取り組みには参考になるかもしれないが、、、やはり一般的ではないかな?

まだマーケティング全般ということだけであるなら教科書選定はいくらでも可能なんだが、インターネット・マーケティングについての教科書ということになると。。。
何でこの分野になった途端、教科書とはなりえない書籍ばかりが氾濫しているのだろうかと愕然としてしまう。
例えば、
・「これであなたも大金持ち!」的なノリのネットビジネスならぬ、まるでネットワークビジネスのような書籍
・自称ノウハウとは言っている凡庸な話がつらつら書かれているだけの書籍
・雑誌で取り上げるべき超短期間だけに通用するかもしれないノウハウ書籍
・WEBデザインやプログラミングといったマーケティングの周辺にある技術書
であったり、本来なら、

インターネット・マーケティング・ベーシックス
「デジタル時代のマーケティングベーシックス」研究会 日本マーケティング協会
日経BP社 (2000/12)
売り上げランキング: 42,696
おすすめ度の平均: 5

5 これからeBusinessのマーケティングを担当される方には最適な著書
5 インターネットを恐れない

あたりがその役割をしてほしいところだが、
 ・発行が2000年12月と古く事例やデータが参考にならず、
 ・個別の内容がうわっつらだけを触れた程度であり、
 ・おまけに議論を4Pに無理矢理押し込んだ苦しい展開である
がゆえに、とてもではないが使える代物ではない。

内容がかなり薄っぺらな導入部だけでよければ、発行が2005年という理由だけで

インターネット・マーケティング入門
木村 達也
日本経済新聞社 (2005/08)
売り上げランキング: 10,984
おすすめ度の平均: 5

5 非常に体系的に学べます

これで十分といったところか?
しかしながら、1時間もあれば内容を理解してしまえ、そのあとに議論が深まらないものを教科書にしてしまって意味があるのかと思ってしまう。

そうであれば「インターネット・マーケティング」ということではなくニュー・エコノミーの時代でのマーケティング的観点を議論していくという意味では、

ネクストエコノミー ― 市場も企業も経験したことのない新たな顧客主義マーケティングが始まる
Elliott Ettenberg 村田 昭治 杉原 素明
東急エージェンシー出版部 (2002/08/06)
売り上げランキング: 37,078
おすすめ度の平均: 5

5 目立たない名書だと思います
5 今マーケットで起き始めていることへの理解を深める本

にするというのも面白い展開となるうるかも。

おっと忘れるところであったが、

「個」客革命
「個」客革命
posted with amazlet on 06.02.16
パトリシア シーボルト Patricia Seybold 有賀 裕子 アクセンチュア
翔泳社 (2001/12)
売り上げランキング: 71,307
おすすめ度の平均: 5

5 この本はCRMの本ではない!
5 よい本です

事例が古くしかも米国事例ばかりなところが欠点ではありながら、インターネット・マーケティングを取り扱っている数少ない有効な書籍かも。
しかし、ケーススタディが詳しく述べられていて、よい点を指摘しているように思えるのに、「なぜだか」拒否反応をおぼえる。嘔吐をもよおしそうな感じ?

「なぜ」の理由はひょっとすると監修しているアクセンチュアなどのような会社の若いコンサルが本に書かれているような調子でペラペラとしゃべっている姿をイメージすると、大学院生達に「そうはなってもらいたくない!そんなのはわかっているようでいて、実は上すべって賢ぶっているだけなんや!」と激しく感じるからなのかもしれない。
はたまた、この書籍を学べば学ぶほど、「コンサル的表現を随所に散りばめながら、完璧な論理展開で説明するのだが、実際には全く説明のようにうまくはいかない」というスキルを学ぶことになりかねないというニオイがするからなのかもしれない。
はっきりした理由はわからないながら、やはり教科書としては却下だな(笑)

こんな書籍を採用するくらいなら、先程のニュー・エコノミーという切り口と関連したところ、社会ネットワーク論的側面から議論を発展させていくのも選択肢に入れてもよいかもしれない。
例えば、

スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法
ダンカン ワッツ Duncan J. Watts 辻 竜平 友知 政樹
阪急コミュニケーションズ (2004/10)
売り上げランキング: 8,635
おすすめ度の平均: 3.5

1 訳者の大罪を許す訳にはいかない
4 研究とはかくあるべきと思いました。
5 これからのマーケティングを考えるヒントになります

や、この種のいくつかの書籍のうちから採用という手もありなのかも。

教科書を使うのは全ての講義時間というわけではなく、そのうちの一部で終わらせる予定ではあるが、とはいえ講座の展開には大きな影響を及ぼすことには違いなく、頭が痛いところ。

ちなみに参考書として取り上げ、議論してみたいものは既に決まっていたりするのである。
もちろん??「インターネット・マーケティング」の書ではなく、「マーケティング」でさえない(笑)

2006/01/31 火曜日

御所南フェスタ実行委員会様への講演決まる

Filed under: マーケティング, PCネット・ビジネス, 講演・講義 — 咲本 @ 02:03:13

京都商工会議所ご支援のもと、御所南フェスタ実行委員会という6つの商店街が集まった組織のみなさんへの講演日が2月17日に決まった。

お題は「商売繁盛とインターネット道」。

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