2006/02/06 月曜日

「経済」「交易」「市場社会」の根源的意味は?

Filed under: 雑記, マーケティング, PCネット・ビジネス, 読書 — 咲本 @ 23:33:49

今から4年前、2002年1月28日に書いたコラム「非市場経済~沈黙交易とネットオークション~」を久しぶりに読んでみた。
http://www.sakimoto.biz/95.html

同時にそのコラムで批判しているワン・トゥ・ワン・マーケティング協議会の坂本氏の論考とを比較してみた。
http://www.1to1.ne.jp/special25.htm

改めて私の荒削りでお粗末な話と坂本氏の世間一般のマーケティング論としてのもっともらしさを再確認した。
しかしながら、経済とは、交易とは‥‥、といったことを根源的につきつめていくと、私の突いている話もまんざらでもないと再確認できたのであった。

この中で私は沈黙交易についてふれている。
実は交易というのは、歴史的に近い距離から遠い距離へと広がっていったのではなく、そもそも遠距離間の交易のほうが古くから行われていたことが確認されているのである。
近距離から遠距離に発展と考えたとすれば、それは市場社会に染まった我々の幻想なのだ。

私は経験したことがない沈黙交易について想いを馳せる。
ネットオークション経験と似ているとすればどんな点なんだろうか?

沈黙交易とネットオークションとを結びつけるのには強引すぎるにしても、交易の原初的形態から考えてみるに、ネットオークションやネットショップというのも、新しいインフラを活用した非市場社会への揺り戻し現象だと捉え直してみると、どうなるのだろうか?

大多数の人達はいわゆる市場社会の連続的発展の中にネットオークションやネットショップをプロットすることだろう。

しかし経済というのはある時期に非連続的に変化していくものであって、結果的にインターネットというインフラが普及したからネットオークションやネットショップという形態が登場したわけではあるものの、事態は経済合理化・効率化の思想からは説明しきれないところにきつつあると、私は最近ますます考えるようになってきた。

う~む、端的に説明しきれないもどかしさがどうしても残ってしまうところが、なんとも気持ちがわるい。

ちょうど最近、

を読んで、刺激を受けたこともあるかもしれない。

橋本治ちゃん(どうしても『桃尻娘』の作者の印象を引きずっている私)は、破綻しそうになっている市場原理の思想を、学者からの引用なんてことをすることもなく、難解な言い回しを極力廃しながら、経済人類学者カール・ポランニーを熟読したであろう根源的問題意識と自分自身の生理と弁証法的論理とをもとにして暴こうとしているのであった。

この治ちゃんの端的に語れない、なんとも落ち着くところが定まりが悪いような気分、よ~くわかる。

この本の世間での感想をアマゾンのカスタマーレビューで確かめてみると、相変わらず表層的に読んで捉え損なった感想が多くて愕然としてしまう。
資本主義経済の虚構性を暴き、それでもこの基本原理自体がおかしい社会で生きていかざるをえない治ちゃんの気分とはほど遠い。

カネを儲けたヤツほどぶっちゃけたところはこの世の中では偉く、治ちゃんのようなことを考えること自体「負け組」の発想であり、なんだかんだ言ってカネ儲けに繋がらなさそうなことを考える余裕なんてないわ、でもCSRなんて注目されているから、その口実に繋がる話なら少しは参考にしてもよいけど。。。
なんていう市場原理思想に毒された人達が多いのだろう。

そんな人達が、本人は気づかないまま、飽和点を超えつつある市場社会でしゃにむにビジネスに精を出しているうちに、次のヒューザーや東横イン、ライブドア事件を起こしかねない予備軍となっていくわけなのだ。

あっ、2月17日に京都の商店街さんに向けて、根源的な意味の経済をふまえた上で語らなければならないかもしれない講演(そうでないと商店街活性化の方向が上すべってしまうだろう)を控えているので、余計にこのようなことを考えてしまうのかもしれなかった。

2006/02/03 金曜日

京都NET SHOP実践塾第3回

Filed under: 雑記, PCネット・ビジネス, 講演・講義 — 咲本 @ 09:27:04

昨日は京都NET SHOP実践塾第3回であった。

ネットショップを既に開設している受講生の方に向けて、宝塚アン奥井さんに、産創館のうりうり教習所での初心者向けセミナーでのご経験をふまえながら、熱く語っていただいた。

先週の岸本さんのお話とも、さすがに繁盛店を運営されていることもあり、お話としてスムーズに連動していくので、受講生の方にはたいへん刺激的だったかと思う。

ポイントは、……、いっぱいあるなあ(笑)

終了後は京都商工会議所の某お偉い方々との打合せ。
来年度会議所事業計画の一部に関係する事業戦略について、私なりのアイデアを提言。

ごはん食べを含めて3時間以上お話したこともあって、大局的なところはしっかりとご理解いただけたと思う。

夜10時に帰宅し、ここのところの睡眠不足と徹夜明けということもあり本日お昼まで爆睡。

2006/02/01 水曜日

「インターネット・マーケティング」講座の教科書をどうする?

デジタルハリウッド大学院の第1セメスターとして4月から始まる「インターネット・マーケティング」講座で使用する教科書やら参考書やらを、そろそろ選定しないといけなくなってきた。

いくらネット云々といっても、事業そのものをネット以外のところも含めて全体的に考えていかないとうまくいくわけがないはず。

そこでネットのことというより、少なくとも前半にはマーケティング全般についてのベースをしっかりとやっていかざるを得ない。

ということで、教科書候補のひとつは

コトラーのマーケティング・マネジメント 基本編
フィリップ・コトラー 恩藏 直人 月谷 真紀
ピアソン・エデュケーション (2002/10/05)
売り上げランキング: 21,063
おすすめ度の平均: 4

3 とりあえず読んだが
5 完璧でした!
4 いくつかあるコトラーの中では一番簡単

となるかな。
まずまずの無難な選択?
「ミレニアム版」のほうは、分厚すぎて持ち運びに不便なので、社会人大学院生が日々読んでいくことが難しいと考える。
コトラーにはたくさん文句があるが、コトラーの説を学んでもらった上で学生さん達と徹底議論するのもよかろう。

一方でネットも非ネットも分けること自体無理があるのだとすれば、「統合マーケティング」学派を教科書としてもおかしくはあるまい。
例えば、

マーケティング統合戦略
ドン・シュルツ ハイジ・シュルツ 上木原 弘修 州崎 健 宮澤 正憲
ダイヤモンド社 (2005/10/28)

この路線であれば、ブランド論について深めていくことも可能だし、なんといっても顧客とのコミュニケーションについてしっかり展開されているがゆえに、ネット活用ともスムーズに関係づけやすい。

あるいは教科書としては変化球となるであろうが、クリステンセンの3部作なんてどうだろうか?

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき
クレイトン・クリステンセン 玉田 俊平太 伊豆原 弓
翔泳社 (2001/07)
売り上げランキング: 2,632
おすすめ度の平均: 4.71

5 新技術のダイナミズムを納得の1冊
5 今、この瞬間に役に立ちます
4 変化を求められている時代だからこそ

 

イノベーションへの解―利益ある成長に向けて
クレイトン・クリステンセン マイケル・レイナー 玉田 俊平太 櫻井 祐子
翔泳社 (2003/12/13)
売り上げランキング: 3,753
おすすめ度の平均: 4.36

5 より実践的な内容に。経営幹部が問うべきことがコンパクトに。
4 内容はとてもすばらしいが、翻訳がダメ。
5 新規事業立ち上げに関わる人は必ず読まなければならない本

 

明日は誰のものか イノベーションの最終解
クレイトン・M・クリステンセン スコット・D・アンソニー エリック・A・ロス 宮本 喜一
ランダムハウス講談社 (2005/09/16)
売り上げランキング: 4,509
おすすめ度の平均: 4

2 判りやすいのだが,,,
5 やっとわかった!
5 歯ごたえ十分

う~ん、内容が先端技術系寄りなのでベンチャー的な取り組みには参考になるかもしれないが、、、やはり一般的ではないかな?

まだマーケティング全般ということだけであるなら教科書選定はいくらでも可能なんだが、インターネット・マーケティングについての教科書ということになると。。。
何でこの分野になった途端、教科書とはなりえない書籍ばかりが氾濫しているのだろうかと愕然としてしまう。
例えば、
・「これであなたも大金持ち!」的なノリのネットビジネスならぬ、まるでネットワークビジネスのような書籍
・自称ノウハウとは言っている凡庸な話がつらつら書かれているだけの書籍
・雑誌で取り上げるべき超短期間だけに通用するかもしれないノウハウ書籍
・WEBデザインやプログラミングといったマーケティングの周辺にある技術書
であったり、本来なら、

インターネット・マーケティング・ベーシックス
「デジタル時代のマーケティングベーシックス」研究会 日本マーケティング協会
日経BP社 (2000/12)
売り上げランキング: 42,696
おすすめ度の平均: 5

5 これからeBusinessのマーケティングを担当される方には最適な著書
5 インターネットを恐れない

あたりがその役割をしてほしいところだが、
 ・発行が2000年12月と古く事例やデータが参考にならず、
 ・個別の内容がうわっつらだけを触れた程度であり、
 ・おまけに議論を4Pに無理矢理押し込んだ苦しい展開である
がゆえに、とてもではないが使える代物ではない。

内容がかなり薄っぺらな導入部だけでよければ、発行が2005年という理由だけで

インターネット・マーケティング入門
木村 達也
日本経済新聞社 (2005/08)
売り上げランキング: 10,984
おすすめ度の平均: 5

5 非常に体系的に学べます

これで十分といったところか?
しかしながら、1時間もあれば内容を理解してしまえ、そのあとに議論が深まらないものを教科書にしてしまって意味があるのかと思ってしまう。

そうであれば「インターネット・マーケティング」ということではなくニュー・エコノミーの時代でのマーケティング的観点を議論していくという意味では、

ネクストエコノミー ― 市場も企業も経験したことのない新たな顧客主義マーケティングが始まる
Elliott Ettenberg 村田 昭治 杉原 素明
東急エージェンシー出版部 (2002/08/06)
売り上げランキング: 37,078
おすすめ度の平均: 5

5 目立たない名書だと思います
5 今マーケットで起き始めていることへの理解を深める本

にするというのも面白い展開となるうるかも。

おっと忘れるところであったが、

「個」客革命
「個」客革命
posted with amazlet on 06.02.16
パトリシア シーボルト Patricia Seybold 有賀 裕子 アクセンチュア
翔泳社 (2001/12)
売り上げランキング: 71,307
おすすめ度の平均: 5

5 この本はCRMの本ではない!
5 よい本です

事例が古くしかも米国事例ばかりなところが欠点ではありながら、インターネット・マーケティングを取り扱っている数少ない有効な書籍かも。
しかし、ケーススタディが詳しく述べられていて、よい点を指摘しているように思えるのに、「なぜだか」拒否反応をおぼえる。嘔吐をもよおしそうな感じ?

「なぜ」の理由はひょっとすると監修しているアクセンチュアなどのような会社の若いコンサルが本に書かれているような調子でペラペラとしゃべっている姿をイメージすると、大学院生達に「そうはなってもらいたくない!そんなのはわかっているようでいて、実は上すべって賢ぶっているだけなんや!」と激しく感じるからなのかもしれない。
はたまた、この書籍を学べば学ぶほど、「コンサル的表現を随所に散りばめながら、完璧な論理展開で説明するのだが、実際には全く説明のようにうまくはいかない」というスキルを学ぶことになりかねないというニオイがするからなのかもしれない。
はっきりした理由はわからないながら、やはり教科書としては却下だな(笑)

こんな書籍を採用するくらいなら、先程のニュー・エコノミーという切り口と関連したところ、社会ネットワーク論的側面から議論を発展させていくのも選択肢に入れてもよいかもしれない。
例えば、

スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法
ダンカン ワッツ Duncan J. Watts 辻 竜平 友知 政樹
阪急コミュニケーションズ (2004/10)
売り上げランキング: 8,635
おすすめ度の平均: 3.5

1 訳者の大罪を許す訳にはいかない
4 研究とはかくあるべきと思いました。
5 これからのマーケティングを考えるヒントになります

や、この種のいくつかの書籍のうちから採用という手もありなのかも。

教科書を使うのは全ての講義時間というわけではなく、そのうちの一部で終わらせる予定ではあるが、とはいえ講座の展開には大きな影響を及ぼすことには違いなく、頭が痛いところ。

ちなみに参考書として取り上げ、議論してみたいものは既に決まっていたりするのである。
もちろん??「インターネット・マーケティング」の書ではなく、「マーケティング」でさえない(笑)

2006/01/31 火曜日

御所南フェスタ実行委員会様への講演決まる

Filed under: マーケティング, PCネット・ビジネス, 講演・講義 — 咲本 @ 02:03:13

京都商工会議所ご支援のもと、御所南フェスタ実行委員会という6つの商店街が集まった組織のみなさんへの講演日が2月17日に決まった。

お題は「商売繁盛とインターネット道」。

2006/01/28 土曜日

京都商工会議所の経営指導員研修お疲れさまでした

Filed under: PCネット・ビジネス, 講演・講義 — 咲本 @ 09:57:55

昨日4時間にわたる京都商工会議所の経営指導員研修を行った。

お題は「儲かるホームページとは?」

研修や講演の機会には、その時に考えている最新の事柄をまとめたいので、パワーポイントを全く新しく作り始めることにしており、結果的に結構な労力をかけている。
経営指導員さんの行動に変化が起こることを願ってやまない。

徹夜明けでの研修とその後にも企業コンサルティングにも出向いたので、本日は12時間睡眠であった。

2006/01/26 木曜日

京都NET SHOP実践塾2回目の講座終了

Filed under: PCネット・ビジネス, 講演・講義 — 咲本 @ 23:54:14

京都NET SHOP実践塾の2回目の講座が無事終了。

講師をお願いしたネットショップの草分け的存在、イージーの岸本さんが、よくある講座ではまずお目にかかれないであろうバックヤードシステムについて受注処理~発送処理までを実演して見せていただいた。

参加者一同、あまりにものスピードに眼が点となった。

こんなに業務処理を効率化してさばいていくことができれば、お一人で年商1.5億くらいなら大丈夫と言われるのもうなずける。

これ、ネットショップ受講されたかたには激しく参考になっただろうし、刺激的だっただろうなあ。

2006/01/20 金曜日

NET SHOP実践塾がスタート!

Filed under: PCネット・ビジネス, 講演・講義 — 咲本 @ 23:47:02

京都商工会議所主催、京都では開催が初めてとなるであろうNET SHOP実践塾が昨日スタートした。
少人数のゼミなので濃~い集まり。
関係者のみなさん、4時間にもわたる長時間お疲れさまでした。

先頭バッター担当の私は、その後の講師の方々がお話されるであろう基礎となるところをお話しておく必要があり、主として経営戦略について多くの時間を割いた。

通常の経営セミナーで経営戦略が語られるならいざ知らず、ネットショップのセミナーでは様々な技や戦術について話すことが多くならざるを得ず、またそのような裏技のようなものを期待されている側面もあるのだろう。

そこは私もわかっていて、次回以降の講師さん達がそこのところは私以上に話されることだろう。

なぜ求められているであろう技や戦術についてあまり多くの時間を割かなかったかといえば、今まで戦略と戦術についての明確な違いが語られることもなく、ネットショップの「経営戦略」について、そのベースとして考えるための基礎が語られることなど聞いたことがないからだ。

ここのところがしっかりしていないと、ネットショップの経営が砂上の楼閣となりかねないのに。

今回はネットショップの戦略を考える基本について随分時間をかけてお話することができた。

livedoorに見受けられるような派手な必殺技!というわけではない経営戦略論は、1週間や2週間でネットショップが変化する劇薬とはならないが、中長期的なところに狙い線を定めた場合には、じわじわと効いてくる良薬となるのだ。

2006/01/15 日曜日

「Webインテリジェンスとインタラクション」研究会に参加

Filed under: 雑記, PCネット・ビジネス — 咲本 @ 01:56:31

電気通信学会の第4回「Webインテリジェンスとインタラクション」研究会in京都に初参加。

Webインテリジェンスとインタラクション研究会

学会関連でWEB系の研究会があるというのはたいへん珍しく、ちょうど京都で開催されたということもあって一度顔を出してみようと思った次第。

今回のテーマは、「WEBアプリケーションとヒューマンインタラクション」「セマンティックWEB応用事例」「テキストマイニング」「blog」。

社団法人下の研究会らしくプロシーディングスも用意されており、しっかりとした研究会を運営されている印象。
WEB系ということもあってか、参加者の4割が民間企業という変わり種。

午前10時スタート、午後5時までという長丁場だったわけだが、私は遅刻して午後から参加。
そのかわりというわけではないが、会場近くの干物の炭火焼きを楽しめる京町屋風居酒屋で開催された懇親会には参加。

少々場違いな初参加者のような気もしなくはなかったが、大阪大学の土方委員長、首都大学東京の高間副委員長をはじめ、幹事の藤本社長、NTTの研究所所属のみなさん、中島社長、服部先生、大阪大学博士課程の楠村さんなどなど、多くの方々と懇談できて期待以上に有意義な時間となった。

学会では珍しいニーズベースのプレゼンの機会をご提案しておいたのだけど、どうなることだろう。

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