オスティアジャパンなる服のショップがある。
といえば、どこかビームスのように欧米での買い付けたものを売っていたり、あるいは国内でライセンス製造販売でもしているのかなあと思われるかもしれない。
実はこちら、純国産というか伝統的な藍染や伝統柄を大いに取り入れた洋服を製造しショップ展開している会社なのである。
オスティアジャパンはショップ名で、洋服のブランド名というかマークとっているのは「衣」、 あまり知られてはいないが社名自体は古代新という。
京都の堀川北山で創業され、現在は6店舗、その中で唯一の東京のショップ、代官山店に行ってきた。

ショップの場所は猿楽小学校近くのかなりわかりづらいところにひっそりとあり、そのあたりがいかにも京都出身のショップらしいといえばいえるのかも。
京都からの異動である代官山店長さんにお話を伺っていると、京都の美大を卒業された代表が、そのまま京都に住み、創作活動をするかたわらで、ジーンズショップを創業、売れてはいたが創作意欲旺盛であるがゆえに自ら加工した服を売ったところ、それが飛ぶように売れていき、そこの部分を徐々に拡大していき現在に至っているとのことらしい。
なぜこちらのブランドに興味を持ったかというと、デニムに象徴されるべくダメージ加工、ペイント加工、ほつれ加工等々、新品である時から中古的にすべく加工を施すことのほうがむしろ常識となりつつある。
そういった感覚はデニム以外の素材にも反映されていき、そのひとつの極限ともいえるのがコム・デ・ギャルソンが行っている「縮絨加工」を施した服の展開にある。
普通、縮絨加工できるのはウールということになるが、様々な加工方法を実験していかれたようでポリエステル素材をも加工対象となっているようだ。
このように人工的に素材にダメージを加える傾向に偏っていくばかりでいいのだろうかということが頭の片隅にこびりついていた。
そんな時に偶然接したのが「衣」ブランドの服とそのコンセプトだった。
・・・アメリカで西部開拓をする人々がガラガラ蛇から身を守るためブルーデニムが生まれたように、 毒虫や蛇除けのためその効果がある藍で染めた野良着で仕事をするという生活の中から生まれた知恵だったのです。 昔、おばあちゃんは柳李(やなぎごうり)の中に藍染めの着物を一枚入れ、大切な着物を虫から守ったというのも有名な話。 でも急激な防虫剤の普及や生活環境の変化のもとに、いつしか姿を消しつつある色でもあったのです。いつの間にか物にあふれ、 使い捨ての時代になれてしまった現代の若者達が気がついた「育てる色」。そのきっかけが数年前に世の中でブームになったビンテージジーンズ。 昔ながらの味ある風合いを追い求め、自分で使い込まないとできない「時間」という糸を自分で紡ぐことの喜びを経験した人が増えてきた気がします。・・・
一足飛びに「加工」によってビンテージ感を人工的につくるのではなく、自分で色を「育てる」感覚。
現代的でありつつ、ここを気づかせてくれるのが「衣」の服。

上の写真は「十二ひとえ」と名づけられた服で、藍染デニム地の長袖Tシャツに襟部分に十二枚布が重ねられている(レイヤード) 。
かなり面白いので即購入。
さっそく洗濯機に入れてみたが、藍色がよく落ちていく(^^;
ちなみに私は自然の風合いがよく、加工品はよくないというふうに思っているわけではない。
コム・デ・ギャルソンのやっている縮絨加工や、ほつれ加工、ペインティング、穴あき等々は哲学的というか身体論の哲学議論にも通じるような問題を我々に突きつけてくるラディカルなものだとも思っている。
まあしかしそのことはおいといて、服の歴史・経緯をふまえると、やはり「衣」のコンセプトは説得力があるなあと。