京都の人達もほとんど知らない某隠れ家的創作会席料理のお店に某料亭女将さんとお伺いした。

↑これが料亭の外観。
山にもほど近い閑静な住宅地の端のほうにある。
車の通行もない路に目立った看板も一切掲げずに営業されている。
古い民家を改装されたお店である模様。
初めてだったので場所が判りづらく、お店に到達するのに骨が折れた。

↑玄関に入ったところ。
京都の歴史を感じさせる演出。


↑お通しいただいたのは、4人用の掘りごたつ式のお部屋だった。
各種骨董品や着物などが飾られている。
骨董品はオーナーのコレクション、手描き友禅はおじいさんが染織家だったらしくその影響か。
いわゆる接待向け料亭の雰囲気はなく、オーナーの趣味が色濃く反映されたお部屋の演出。
桐のタンス、古いミシンやアイロン、人形などが並んでおり、いい意味では常連さんが隠れ家的なお店でほっこりできるといった雰囲気。
反面「いちげんさん」や接待モードの場合には、個性が強い分好き嫌いが分かれるかもしれない。

↑舟盛り風お造り

↑椀物

↑ホタルイカとフルーツトマト。変わった器。棚に収まっていたり、飾られていたりする陶磁器のコレクションもすごかった。お抱えの作家さんもいらっしゃるとのこと。
創作会席らしい一品。

↑蒸し物。これまた器が美しい。

↑創作会席らしく?本来揚げ物であるはずのところに牛肉ステーキ山椒ソースがけ。
この器もかわっている。

↑これには圧巻!ご飯と一緒に出てきた山盛りのお漬け物。酒席で料理の量があまり食べられなかったり、好き嫌いの多い人であったとしても、締めとなるご飯にこれだけの漬け物が登場したら食欲がそそられるはず。
結局のところ、いくらこだわった食材と手の込んだ料理を提供したとしても、1週間も経てばどんな料理だったか忘れてしまうことが多いはず。
最後に山盛りのお漬け物でたらふくご飯をよばれて満足感を味わい、ほっこりとした「経験」はいつまでも残る。
また、凝った器に感心したことも、次回訪問時にはどんな器で出てくるのか楽しみになるという期待がもてる。
で、思い出して、「また、このお店でほっこりしよう」と再び食事に来たり、知人をとっておきのお店として誘ったりしてしまうことになるのだろう。
勿論、ご飯はおかわりした(^^;

↑デザートにはアイスクリームと白ワインゼリーを使ったものが。お昼は場所柄から考えても、ご婦人方が圧倒的に多いであろうことが予想され、そう考えたらこんなデザートが出てきたら、喜ぶ人は多いことだろう。
一番最後には会席コースとしては珍しいことにコーヒーをいただいた。
でも直前にデザートが出てきたことによって、何の違和感もなかった。
ただ、ひとつ残念だったのが、食後の感想を求めるべく、アンケート用紙を置いていかれたこと。
せっかくの雰囲気が台無しではないか。
ファミリーレストランのチェーン店であるまいし。
最初なぜなのか不思議であったのだが、おそらくは最近たて続けに3店舗オープンされたとのことで、バックに飲食系コンサルタントが付いており、その入れ知恵に違いないと思い、勝手に納得したのであった。

↑清潔なトイレは飲食店の基本中の基本といわれるが、ここにはサプライズがあった。
高価な年代物風の絵が大きな鏡に映り込む姿がお見事!
オーナーは最近になって多店舗展開をされているらしく、持ち帰ってきたパンフレットには合計4つのお店が掲載されている。
今回お伺いしたのが、いわば本店で他のお店もこのあたり周辺に点在している。
その割にネットで調べてみても、公式ホームページは存在せず、ごく少数の口コミ情報が得られるだけ。
その他3店舗は観光地に立地し、昼は2,000〜3,000円程度、夜は5,000円程度で食事ができるので、いちげんさんの観光客でも十分取り込めるだろう。
ところが、この本店は観光地から少し離れた住宅地で、しかもたいへんわかりづらい場所。
お値段も昼が5,000円〜、夜が7,000円〜と飛び抜けて高くはないが、他の3店と比べると高価。
この本店がそれなりに繁盛しているようで、客として同席の某女将は「お客さんからよくこのお店の評判を耳にすることがあり、一度食べにいってみたら」と言われるらしい。
今回実際にお店にお伺いして、お客さんの口コミで常連の来客が拡がっている謎がわかった。
- まずは先程指摘したとおり、締めに出てくる種類が多く大盛りのお漬け物。
ガブガブと食べられるお漬け物とご飯で締める満腹感によるほっこりとした経験は記憶に残り、再びその経験をしたくなる。
- 古い民家だとわかる室内、タンス・骨董品・着物・人形などのコレクションにより、古い実家に戻ってきたような感覚を想起させる雰囲気がある。
- 器へのこだわり。
次回来店にどんな器が出てくるのか楽しみになる。
昼間にお伺いしたので、スタッフのランクがいまいちだったかもしれず、普通の器も出てきたが、夜になると、お昼以上にこだわりを発揮される可能性がある。
- ホームページなど、いちげんさんが行くための情報がほとんどなく、場所もわかりづらいところが、かえって地元の常連さん達がひいきにするお店としての口コミを誘発することにつながっている。
京都の人間は概してお気に入りのとっておきの店を知り合いに紹介する場合、有名料亭のように名前が知れ渡っているところを紹介することはない。
このお店のように一般の人達が情報を持っていないことは、逆に口コミ発生には有利にはたらく。
- 価格設定を料亭としては比較的リーズナブルなところに抑えている。
常連客をしっかりつかまえるには、15,000円以上のコースばかりでは高すぎる。
- ネットで発見。自社のホームページもないにもかかわらず、料亭らしい高級イメージのオリジナル商品を通販展開していた。お店には全くそんなそぶりがうかがえないということは、地元以外の商品購入者が京都観光の際、店舗に来てもらおうとの狙いもうかがい知れる。ちなみに店舗と通販とを事業として完全に分けているのは、地元での店舗のイメージが、通販に精を出していることによってマイナスイメージとならないように、細心の配慮がはらわれているためだと推察する。
来週末あたりに第3弾の会席料理訪問を行う予定。
夜は大阪市立大学の社会人大学院セミナー室へ移動し、関西ベンチャー学会理事会に出席。
いつものパターン?で終了後は先生方と呑み会となり、午後11時30分帰宅。