2006/03/20 月曜日

高台寺春のライトアップと東山花灯路

Filed under: 雑記, イベント — 咲本 @ 23:38:10

昨日の春光院での展示会の続き。

高台寺のライトアップを今回も見学させていただいた。
なんといっても要注目なのがメインイベントとなるであろう波心庭(方丈前庭)でのライトアップ。

混み合うことが予想されるため、日没前にお庭へ。
高台寺波心庭1

↓日没後の光景はライトアップで一変する。
今回のテーマは「京都の四季」。
いつものように様々なオブジェを駆使されることがなく、映像表現だけでのライトアップなので、広く一般に楽しめるものとなっている。
高台寺波心庭2

なお、高台寺ライトアップの写真集は、別サイトでお楽しみください。

↓なんと!円徳院のライトアップに大胆な試みが!毎年おとなしいライトアップであったはずなのだが。。。
光によって七色に変化するセロハンのようなものが庭の奥にはりめぐらされていて、光の色が変化していくのである。

円徳院ライトアップ

↓今回の初企画「きつねの嫁入り」。
19:30と20:30頃に人力車に乗った白無垢にきつねのお面を被った状態でねねの道を通行。
特に告知されているわけでもないので、まだこの時間になっても溢れかえっている観光客を驚かせる。
きつねの嫁入り

↓東山花灯路の夜景

東山花灯路
(参考) 高台寺ライトアップ写真集

2006/03/19 日曜日

春光院“見る魅せる愛しむ「伝統の技」展”を見学

Filed under: 雑記, イベント — 咲本 @ 23:58:31

高台寺塔頭の春光院で開催の“見る魅せる愛しむ「伝統の技」展”を見に行った。
これは高台寺門前会代表の「まほうや」さん主催の企画展。

閲覧することが難しいたいへん価値のある切子、清水焼、帯締と蜻蛉玉などを本堂で拝見した。

春光院門

↑春光院の門。茅葺きの屋根のお寺って珍しいのでは。
この門を抜けて本堂へ。

展示品はどれもこれも素晴らしいものであった。
例えば清水焼は、以前開催された高台寺さんのお茶会で特別に閲覧できたもので、清水焼の絵が描かれ出されたごく初期のもの。

現在ではこれら清水焼展示品の写しであっても入手するのはたいへん高価。

伝統の技ポスター
↑展示会ポスター。
こちらからも帯締ととんぼ玉の美しさがうかがいしれる。

切子

↑私が展示品の中でとりわけ好きなのは、切子。

切子の技術が廃れつつある中、かろうじて大阪のガラス会社がこの技術を継承してきたが、もう職人さんはほとんどいらっしゃらないそうだ。

そんな中、浪速の名工と名高い宇良武一氏の作品と氏が所蔵される昭和初期のものが展示。

切子

↑これら切子の中でもひときわ目を惹いたのが、写真中央のグラス。
極厚のガラスから緻密な加工が施されているので、万華鏡のように美しく光が反射する。

宇良氏も既に年輩の方であるが、そもそも加工前の極厚ガラス素材を作る職人さん自体いらっしゃらないようで、作品を入手するのは早い者勝ちに近い状況となっている模様。
春光院の椿

↑ 春光院の庭には椿が満開。

まほうや

↑今回の企画展を主催されたまほうやさんの店舗。
春光院のすぐそばにある。というか、同じ「ねねの道」に面して円徳院さんの敷地にある。
こちらで清水焼やとんぼ玉、切子などの厳選された作家ものが販売されている。

まほうやさんとはお久しぶりの再会で、ご多忙にもかかわらず喫茶店でお話させていただいた。

その上、日が沈んでからの高台寺夜の特別拝観やこの付近一帯で開催されている京都東山花灯路(はなとうろ) 、そのほかの催し物についても情報をお教えいただいた。感謝。

店内を見学させていただいているうちに珍しいガラスの使われたピンブローチが目に留まり、安かったので購入。いい掘り出し物を買った気分で満足。↓

ピンブローチ

その後、しっかりライトアップや花灯路を見てきたが、それについての日記は明日におあずけ。

2006/03/18 土曜日

京都の料亭マーケティング第3弾

Filed under: マーケティング, 食べる・呑む — 咲本 @ 23:56:43

京都の料亭第3弾の訪問は、個人・家族経営の側面よりも企業としての取り組みに注目したく、某大企業系のホテル直営のお店にお伺いした。

こちらはホテル内にあるお店であるにもかかわらず、急に訪問しても受付してもらえず、最低2日前までには予約しておかないと対応してもらえない。

お部屋の構成は

  1. 2〜3名向きの個室
  2. 茶会用の炉のある4名用の座敷
  3. 円卓で6名まで対応できる座敷
  4. 4名、6名向きの部屋の壁を取り払い、掘り炬燵の炬燵の形状も変え、テーブルを一列に並べた12名まで対応できる座敷
  5. 立食であれば20名まで対応できる洋室

この5つのパターン。

先附

↑まずは先附。まだ中味が隠れた状態。お箸と右端に少し見えている盃には「壽」の文字が入っている。
これはちょっと意地悪をしてお店訪問の直前に「本日、相方が誕生日」と連絡しておいたため。
金粉入りの祝い酒が出てきた(^^;
電話した際には「ケーキなどをご用意しておきましょうか?」との質問があった。勿論お断りしたが、このあたりはさすがにホテルである運営体制を十分に活かした対応ができる模様。
それにしても、さすがに誕生日向けの無難な対応をされてきた。
先附・前菜

↑先附の囲いを取り払うとこんな感じ。

前菜

↑こちらは前菜。お料理のテーマ的に春を思わせるものと雛祭りとなっているようで、先附に使われているよもぎや、前菜の3色のだんごといったもの、このあと出てくる随所に春らしさの感じられるもので統一してあった。

椀1

↑椀物。

椀2

↑椀物の中味。

造り

↑お造り。

煮物1

↑煮物。

煮物2

↑煮物のフタを取ったところ。タケノコがおいしい。こういう器を○○写しとかなんとかいう会席料理の典型的なパターンらしいことを若女将さんに教えてもらったが、名前を忘れた。

焼き物

↑焼き物と和え物。春らしいソースがかかっている。

蒸し物

↑蒸し物。写真を撮る前についつい食べてしまった。

ご飯・止め椀・香の物

↑ご飯・止め椀・香の物。

デザート

↑フルーツと奥にわらび餅。徹底して春らしさを演出。

和紙の装飾1

↑玄関を入って正面に迎えてくれる屏風の代わり?のようなもの。中から仄かに光る灯りが独特の雰囲気を醸し出している。座敷内にもさりげなく間接照明が使われており、このあたりの光を使った演出が凝っている。

和紙の装飾2

↑こちらはエレベーターホールにある和紙の飾り物。玄関のものと対になっており、玄関の方はお出迎え、こちらのものはお見送りの意味を持たせているらしい。
制作されたのは和紙造形では有名な堀木エリ子さん
そういわれればなるほど彼女の作風だなあという雰囲気が出ている。

個室

↑写真を撮るのを忘れていて、ちょっとパクってきた画像(^^;
こちらが2〜3名用として食事させていただいた個室。
掘り炬燵式になっており、炬燵部分は比較的浅く、そのぶん座椅子に高さを設けてある。
ホテル内であるためお庭はなく殺風景となりやすいが、壁面を板張りにしてアールを持たせ、間接照明によって明暗を持たせることで独特の雰囲気がある。
直接照明はテーブル上に集中させている。

完全予約制となっているため、その日の混み具合によってホテル従業員の体制を調整しやすく、効率がよい。
私達の応対をしてくださった方から名刺をいただいたが、着物を着たホテル従業員の方であった。

以前はカラオケルームだったそうで、数年前に現在のような直営予約制料亭に様変わりしてからのほうが、断然人気が出たとのこと。
なるほどこのようなお店のほうが立地とホテルの格からすればウケることはよく理解できる。

既存の高級料亭が集客に苦戦している中、ホテルの立地のよさもあって繁盛している。(といっても客室数自体が少ないわけではあるが)
奇をてらったところはないが、接待向けや慶事、お見合いの席など、あらゆるシーンに無難であるように感じた。
壁自体の取り外しができ、掘り炬燵も自在に変えていくことができるようになっているところは、たいへん参考になった。

こちらのお店は昨年12月に利用させてもらったことがあり、今回が二度目であったのだが、支配人が私のことを覚えていらっしゃったのには驚いた。
おそらくはいちげんさんの来客者であっても、その都度顧客管理ソフトにデータ記録し、それを随時参照されているのだろう。
このあたり、個人経営的料亭には不備がある場合があり、やはり企業の運営するお店だなと思った。

2006/03/17 金曜日

ケータイ国際フォーラム,カスタ君クッキー

Filed under: イベント — 咲本 @ 21:02:08

昨日は第5回「ケータイ国際フォーラム」をのぞきにいった。

ケータイ国際フォーラム

注目イベントとして本当であれば午前中のボーダフォン津田会長の講演、午後からの「ケータイで変わるライフスタイル」セミナー、「ユビキタスホーム」の実演といったところがお目当てだったのだが、結局不参加で終わってしまった。

で、何をしていたかというと、出展企業さん巡り。
書くのは省略するが、興味深い企業が多かった。

中にはケータイとどう関係あるのかわからないが、まいどお馴染みの?(株)カスタネットさんも出展されていて、そちらにもおじゃました。

カスタくんクッキー1

カスタくんクッキー2

オフィス用品とオフィス家具の通販事業をされているはずなのに、展示ブースはなぜだか「カスタ君クッキー」の販売一色だった(^^;

カスタくんとは上の写真右側のクッキーのような会社のキャラクター。

まったくもって文具屋さんが自らのキャラクターをクッキーにして販売にかかるとは、発想が飛んでいておもしろい。

次は何をやってくれるのだろう(^^;

2006/03/16 木曜日

KISS二日目

Filed under: PCネット・ビジネス, イベント — 咲本 @ 00:31:54

KISS(関西インターネットソリューション サプライヤー・コンベンション)の二日目に終日缶詰。

KISS看板

↓10時すぎから「お外」で楽しむコンテンツ最終審査会がスタート。進行役は塩見さん@カンデジ顧問。

塩見氏

↓結果発表と審査員による講評。残念ながら大賞は該当者がなく、特別賞を3名の方が受賞。

コンテンツ大賞審査結果

↓午後からは神戸大学が誇るウェアラブルコンピューティングのエヴァンジェリスト、塚本教授による「アウトドア・コンテンツ・ライフのすすめ」
バンダナがわりにウェアラブルコンピュータ?首からぶら下げられたアクセサリーがわりのキーボード?といったステージ衣装?でのご講演。

塚本氏@神戸大教授

↓廣常さん@新産業文化創出研究所による「次世代コンテンツと新たなビジネスモデル」
ITの先端的実験がなされているアキバ発のホットな情報を関西弁でご紹介。
廣常氏

↓ロボットイニシアチブの方による大手メーカーによる家庭向けロボット開発の現状とロボット向けコンテンツについてご講演。

ロボットイニシアチブ

本日もご多忙な中、お越しいただいた方々に感謝。
そんな中でも小堀さまは速攻ブログに上げられていた。なんと素早い!

どの講演もこのとおり写真を撮りはしたが、講演内容についてはその一部しか聴けていない。
とりわけ来週は東京に行く予定で、そのついでに再開発の進んで秋葉原に立ち寄りたく、廣常さんのご講演をしっかりと聴いておきたかったなあ。

2006/03/15 水曜日

KISS初日

Filed under: PCネット・ビジネス, イベント — 咲本 @ 07:30:02

カンデジ主催、 KISS(関西インターネット ソリューション サプライヤー コンベンション)初日。

たくさんの参加いただいた方々、出演者の方々に感謝!
↓堂野さん@Mebic扇町所長の開会宣言によりスタート。

堂野所長

↓午前中は杉山さん@デジハリ学長によるデジタルコンテンツについての講演。

杉山学長

↓午後には、高広さん@Googleによるネット広告についての講演。
グーグル高広氏

WEB.2.0トークセッション、向かって左から上原さん@goo統括、木村さん@ウェブシャーク大将、藤原さん@宣伝ジョーズ、益田さん@NAMAAN、村松さん@GMO VenturePartners、一番右は司会進行の津田さん@代表理事。
トークセッション

↓関西のデジタル系企業による展示スペースの模様。
企業展示会場

↓あっという間に食事がなくなってしまった懇親会(^^;

懇親会

腹がへっていたこともあり、その後知り合い2人と近所のビール店でささやかな二次会→24:00すぎに帰宅。

それにしても徹夜明けだったせいもあり、疲れ果ててしまった。

本日イベント二日目も頑張ろう。

2006/03/14 火曜日

セレンディピティなうどん屋さん

Filed under: 食べる・呑む — 咲本 @ 00:02:41

京都の大丸百貨店近くの某オフィスで午後の打合せを済ませ、昼食がまだだったことを思い出し、近くにあった某うどん屋さんへ。

午後3時頃だったので、店内には私しか客はいなかった。
私は初訪問のお店であったが、どうやら有名店のようで、ググってみるとたくさん情報が出てくる。

それもそのはず。

ここのおばちゃんのキャラがとんでもなく濃かった(^^;

マシンガンのように次から次へとメニューのご説明をいただいた。

それプラス、創業60年のお店で、ダンナさんが70歳で和食料理歴40年の人、料理がおいしいのでそうそうたる料理人が食べにくること、店内隅々までピカピカに掃除が行き届いていること、お隣にある錦市場から極上の素材を仕入れていること、肉うどんの牛肉は有名な三嶋亭の肉を採用していること、娘さんが描かれて随所に貼ってあるイラストのこと、オペラを聴くのが趣味であること。。。

もう話がとまらない。
が、イヤミなところが全くなく、これはおばちゃんの人徳というべきか。

このようなトークを聞きながら、○○うどんを。(メニューの名称を忘れた)
うどんの具としては、天ぷら、ゆば、 みょうが、しめじ。これで2,000円ほど。

いっけん値段が高そうに見えるが、湯葉は錦市場にある創業200年、湯波吉のもの。
錦市場の井戸水で丹念に作っていかれる品質は料亭の瓢亭に納められていることでも有名。
この湯葉をのかたまりが惜しげもなく入っていて、食べるとあっさりしてはいるが旨味を感じる。

天ぷらに使われているエビは巨大なもの。
天ぷらの衣を除いても、丼にかろうじて入るくらいのもの。

みょうがもたっぷり。

このような具の内容であったら、値段が高いとはいえないのだ。

BGMとしておばちゃんのマシンガントークを聞きながら、確かにおいしくいただけた。

で、そのトークの中で出てきた「今日はおいしいオハギがあるねん。これを暖めて食べるとおいしいねん。」との接客でこちらも頼むことに。

普段甘いものを口にしない私がオハギを食べることになるとは、我ながら信じられなかったが、実際に食べてみると、甘党ではない私にもたいへんおいしく食べることができた。

なぜなら、取って付けたようなイヤミな甘さが全くなかったからだった。
おいしさの理由を聞くと、小豆は丹波大納言の極上品を使っているからだとのことだった。なるほど。

使う素材にこだわるお店だからその日によってメニューも変わる。
本日はいいだこの煮物やいわしの煮物が入っていると「裏メニュー」のできあがり品を見せてもらったが、さすがにお腹いっぱいだったので、またの機会に楽しませてもらうことにした。

訪問された料理人の方々が決まって口にされるらしいのは、 妥協の余地のない素材を使いたいことは山々ではあるが、提供価格のことを考えると売れないに決まっているので、ここのお店のように使えないとのこと。

このお店が超高級な食材を惜しげもなく使いながらも、客にさばいていけるというのは、ひとえにおばちゃんのキャラクターが多大な貢献をしているのだと思った。
一度食べれば味には誰もが納得するはず。

それにしてもこのおばちゃん。
おばちゃんの口から「私、”セレンディピティ”をつかまえるのがうまいらしいねん」てなことをお聞きすることになるとは!

そうなのだ。
このお店は日々のセレンディピティを積み重ねながら、現在のようなこの不思議極まりないお店の姿となっているのであった。(といっても筆舌に尽くしがたいので伝えようがない)

おばちゃんは直感と直観の力が優れているのか、私の職業も一発で言い当ててしまった。
いちげんさんであったにもかかわらず、気がつけば、なんやかんやで2時間近く会話が弾んでしまった(^^;

お店名を書こうかとも思ったが、既に多くのブログに取り上げられており(このおばちゃんにお会いした人だったらある意味書きたくなるのも当然かも)、お店側もこれ以上宣伝につながる行為は歓迎されないようなので、やめておく。

知っている人は知っている、知らない人も一度行けば記憶にずっと残ってしまう有名店とそのおばちゃん。

思わぬところでよい出会いがあったことに感謝する。

2006/03/13 月曜日

沈黙交易とネット社会と内田樹(2)

Filed under: 読書 — 咲本 @ 01:38:32

死と身体内田樹の『死と身体―コミュニケーションの磁場』

を取り寄せていたのが到着したので、

交易する人間 今村仁司の『交易する人間(ホモ・コムニカンス)ー贈与と交換の人間学』


に共感したばかりの私は、早速、思想的に両者の依って立つ立場を比較してみた。

内田樹については、私が以前から問題提起をしていたアイデアをある意味無断でパクっているかもしれないから、今回お金を出して彼の本を買ってあげた次第(^^;

このあたりの経緯はこちらの日記→沈黙交易とネット社会と内田樹(1)

で内田氏の本は5分ほど読むと、全てを読まなくしてもう大体のところはわかった。

内田氏はコミュニケーションを「レヴィ=ストロース的交換一元論」でしか捉えていないのだということだ。
これに対し今村氏は、マルセル・モースの「贈与論」の序文でモース批判を行ったレヴィ=ストロースを、社会生活のあり方を構造主義的交換一元論だけで説明できるものではないことを明らかにするために、マルセル・モースがこだわった人間の原初的相互行為についての研究に立ち返って浮き彫りにさせようとしたのであった。

今村氏はいう。

レヴィ=ストロース的交換一元論は本当に、相互行為の全体の事態を汲み尽くしているだろうか。
仔細に見れば、この交換一元論は、もっぱら人と人との関係にだけ注目しているにすぎない。相互行為はけっして人間と人間の関係だけに還元されるのではない。たとえば人間は、神々とも相互行為をおこなうし、この種の相互行為は歴史的現象としては圧倒的に多いのである。記号やシンボルの交換はたしかに人間と人間(個人であれ集団であれ) の間で起きる。しかし人間は記号とシンボルだけで生きるのではなくて、神々や自然との相互行為を想像的に生き抜いてきたし、いまもなおそうしている。この論点は決定的に重要であるから、いずれ後でも検討するであろうが、想像的相互行為の厳然たる実在性をけっして忘れてはならないことをここで指摘しておきたい。

だからこのあと今村氏は贈与についての解明に入っていく。

つまりは、「贈与>交換」という図式が成立するのであって、人間の原初的行為たる贈与の解明なくして交換論だけで突破しようとすると、必ずうわすべる。

そもそもレヴィナスの研究者でちょこっとフランス現代思想と映画が好きな内田氏が、レヴィ=ストロース的交換一元論の立場から、「沈黙交易」なる交易の初原的制度とでもいうべきものをなぜ持ちだそうとしたのか、不自然極まりない。

そんな内田氏が沈黙交易を語るとは一見鋭そうには見えつつも、フタをあけてみるとなんてことはない。
以下のように、呑み屋さんでのおもしろトークの延長みたいなものだ(^^;

沈黙交易の起源において、交換当事者のあいだに、交換されるものの価値や有用性についての共通認識があったはずはありません。だって、見たことも触ったこともないものが置いてあるわけですから。
「これはいったい何なのだろう。よくわかんないなあ。でも、とりあえず持っていくことにして、代わりになんでもいいから置いておこう」というように、沈黙交易は始まったはずなんです。

このように、贈与から由来する異人との沈黙交易というものについての基本的認識が全く欠けており、おそらく受験の暗記物のように沈黙交易という単語を聞いたことがあるといったレベルなんだと思われる。

そして、

どうして交換するかというと、とりあえず交換が成立するとなんだか「愉しい」からです。人間には交換という行為それ自体に強い愉悦を感じる能力が備わっている。その能力こそが人間の人間性を基礎づけている、ぼくはそういうふうに考えています。そして、ここで大事なことは、声も聞かない、姿も見えないものとも交換ができたという事実です。(中略)

ケータイでのメールのやりとりなんて、まさに沈黙交易そのものなんですから。姿は見えない、文字が見えるけれど、それもさまざまな絵文字とか符号を使って、わざとわかりにくく書いてある。(中略)彼女たちにしてみたら、メッセージの内容が無意味であればあるほど、交換行為としては純粋だということが直観的にわかっている。(中略)

無価値なものの交換のほうがコミュニケーションのかたちとしてはむしろ純粋なんです。だからみんながケータイにどっぷりはまるのは当たり前なのです。なにしろ五万年ぶりの「沈黙交易」なんだから。

もうここまでくると、根拠なき飲み屋トークが炸裂してしまい、呆れてしまう(^^;

だから私も大きく主張することなく控えめにしてきたのに〜
内田く〜ん、本に書くなら一言相談してくれたら恥をかかないように書くことを止めてあげたのに〜(^^;

もう書いてしまったからでは時既に遅しではあるが、沈黙交易がどういったものなのか、基本的なところを教えておいてあげようね。

いずれにしても、どうやら、沈黙交易とは、接近および接触が忌避されている場合に起こる交易のありかたらしいということが考えられる。言語の通じる通じないは関係ないのである。ここから、柳田國男のように、沈黙交易などといっても、いつも簡単には会えない人々が、便宜のため行うものかもしれないではないかという議論も出てくるかもしれない。しかし、たまたま会合するのが難しい旅人同士や、その地方の住民と通りすがりの人々が、便宜上、無人の売店のようなものを設けて、「非会見交易」するのと、ヘロドトス以来、注目されている沈黙交易とはまったくわけが違う。所謂、沈黙交易とは、接近または接触してはならず、コミュニケートしてはならない、二つの共同体からの人々の交易なのである。(栗本慎一郎『経済人類学』)

ということなのであって、内田クン、お願いだから「顔を会わさないから沈黙交易」なんていう無知と単純な誤解に基づいて今後は発言してしまわないようにね(^^;

引き続き、かつ、ボチボチではあるが、この周辺の議論について調べていくことにする。

2006/03/12 日曜日

東横イン的企業から価値共創型企業へ

Filed under: 経営戦略 — 咲本 @ 00:08:56

asahi.com: 東横イン12件の是正命令を要請 国交省が各自治体に - 社会
東横イン12件の是正命令を要請 国交省が各自治体に

2006年03月06日22時48分

ビジネスホテルチェーン大手、東横インの不正改造問題で、国土交通省は6日、建築基準法やハートビル法など法令違反の是正が3月末までに終わらない系列ホテル12件について、地元の各自治体に是正命令を出すよう要請した。

道路を挟んで斜め向かい側に東横イン京都四条大宮があるのだが、何やら様子がおかしいので、夕食を食べに行く際に見に行った。

東横イン

↑どうやら是正命令に対応しようと工事の準備中である模様。

この件について、本音のところではバレさえしなければ大して問題なかったとか、たまたま法律に抵触してしまっていたことがマズかったという方もいらっしゃることだろう。

今回の一件がなかったとしたら、世の中の評価はどうだったのだろう。
私は以前、某テレビ番組で東横インのビジネスモデルを賞賛していたのを見かけたことさえあるのだが。。。

確かに20世紀にはバレさえしなければよしとするビジネスが平気でたくさん存在してきた。

しかしネット社会の様相を強めつつある21世紀においては、こんな企業はバレようとバレなかろうと経営としてたち行かなくなっていくのではないかと思う。

この事態をプラハラード教授の力をお借りして簡単に説明すると、

1990年代までは

買い手との間で末永い絆を育もうとする

ことがテーマとなり、そのためには、

利用状況を見ながら提供価値を決める。顧客を深く理解し、初期の利用者の意見などをもとに製品やサービスを改める。あらかじめ用意したメニューの範囲内で、製品やサービスをカスタマイズする。

ということであったので、東横インの場合でも違法行為がバレなければオッケーでやっていけなくもなかった。

現在提供されているCRMツールなど事業を支援するインフラや、経営コンサルタントなどもこのような考えがまだまだ多い。

ところがネット社会の様相が強くなってくる2000年以降となると、企業と消費者との関わり合いに大きな変化が生じてきており、それは、

消費者と独自の価値を共創する

ことがテーマとなるのであり、そのための取り組みとしては、

消費者は価値共創のパートナーであり、価値共創を実現するためにはDART(対話、利用、リスク評価、透明性)の確保が欠 かせない。企業は個々の消費者と、経験環境の中で経験を共創する。製品やサービスもその環境の一部である。企業は発展性のある経験を実現できるように、 経験環境を設計しなくてはいけない。消費者のリーダー的存在とともに、経験環境に期待される条件を思い描き、市場に受け入れてもらう努力をする。

と指摘されている。

要するに、東横イン的企業もバレさえしなければやっていけた1990年代的やり方が終わりつつあり、顧客と独自の価値を共創していこうとするには、DARTを確保する以外に路がない。
そのDARTの4要素の中には透明性があるので、今回のようなあこぎなやり方なんて入る余地がないのである。

いまいち価値共創を支える要素となるDARTというのがわかりにくいかもしれないので、ごく簡単にふれておくと、

D(dialogue):対話 単に顧客に耳を傾けるレベルを超え、感情レベルまで含んだ行動に向けての意見交換
A(access):利用 モノの所有と利用とを分けて考える
R(risk assessment):リスク評価 消費者に損害が及ぶ可能性
T(transparency) :透明性

もっと詳しく知りたかったら、『価値共創の未来へ』をどうぞ。

価値共創の未来へ


とそんなことを考えながら、夕食は徒歩10分のところにある割烹屋さんへ。

���

こじんまりとした穴場的なお店で、お造り盛り合わせ、桜餅蒸し物あんかけ、小鯛を炙ったにぎり、おこぜの煮物、タラの芽・ふきのとう・エビの天ぷら、お茶漬けとおいしくいただき、東横インのこともすっかり頭のどこかにいってしまいながら帰宅したのであった(^^;

2006/03/11 土曜日

某モバイル系上場ベンチャー専務と15年ぶりに再会

Filed under: 雑記 — 咲本 @ 00:41:52

京都で開催された某フォーラムで講演をしていた某モバイル系上場ベンチャー専務N氏と15年ぶりぐらいに再会した。

学生のための情報通信フォーラム

15年ぶりといっても、以前は今から考えると思わぬ形での顔見知りだった。
その関係を具体的に書くのは。。。先方にも上場しているがゆえに人目が気になるところもあるだろうから、ちょっとやめておこう。

あっ、かといっていかがわしいことは何もないが、あの当時は今とはまた違った意味で楽しかったなあ。若かったこともあり、よく遊んだ(^^;

私がセミナー会場に座っていたのを見て、最初「どこかで見たことあるオッサンやなあ」と思っていて、しばらくして「あっ!」と思い出したらしい。

講演の冒頭で「20年ぶりくらいの久しぶりの方が会場にいらっしゃるので、かなりしゃべりにくいです。うまくしゃべれないかもしれない。」とのことわりが入った(^^;

またそのうち、東京でプライベートな会食をしようと思う。

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